タックスヘイブンは個人の節税にも効果があるの?
個人でもタックスヘイブンは活用できるのか?
タックスヘイブンは企業や富裕層が行うだけのものだと思っていませんか?
実はタックスヘイブンは個人で行うことも可能なのです。
とはいえ、個人で行うのには様々な制約が存在し、そう簡単に行えるものではありません。
今回はこの個人でタックスヘイブンを行う際の仕組みや注意点について、詳しくご紹介していきましょう。
タックスヘイブンについて知りたい場合は?
タックスヘイブンを行うのであれば、まずはタックスヘイブンそのものの仕組みを理解していなくてはいけません。
4つに分類されるタックスヘイブンの形態や、タックスヘイブン先として知られる国や地域など、タックスヘイブンに関する基礎意識を、まずは下記の記事を参考にして理解しておきましょう。
「よく聞くタックスヘイブンって何?分かりやすく解説します!」
個人でタックスヘイブンを活用するには?
個人がタックスヘイブンを活用するまでのハードルについて
1番厳しいハードルとなるのが居住権です。
日本に居住しているのであれば、日本の税制が適用されることになってしまいます。
ちなみに「タックスヘイブンに住民票を移したものの日本に住んでいる」、このような場合は脱税となり、犯罪行為になってしまいます。
この「日本に居住していてはならない」というのが、何よりも難しい条件となるでしょう。
税金の問題について
「日本に居住していれば日本の税制が適用される」、これはタックスヘイブンで利益を上げたらその所得は日本での所得としてみなされ課税されてしまうことを指します。
しかし所得だけでなく、相続税なども日本の税制で課税されることになるのです。
ですのでどこのタックスヘイブンでどのような形態を選んだとしても、日本に居住権があるのであれば、それは「意味のない行為」となってしまいます。
オフショア会社の設立は意外に簡単にできる
居住権問題をクリアして、タックスヘイブンに法人を設立しようとしましょう。
この時点では、さほど大きなハードルはありません。
オフショア法人は以外にも簡単に設立することができます。
個人で行うには苦労しますが、専門の業者に依頼することで、必要書類を用意するだけで渡航すら必要のない場合がほとんどです。
業者への依頼料を含めたとしても、数十万円でオフショア法人を設立することはできるのです。
パーペチュアルトラベラーって何?
パーペチュアルトラベラー、これはその名の通り「永遠の旅人」という意味です。
実は先ほどから出てくる居住権問題ですが、これを厳密に言いうと「183日以上過ごす場所」を居住している場所として認められることとなっています。
ですので、例えば150日で複数の国を行き来するような場合は、「世界中のどこにも居住権がない」となる面白いシステムなのです。
このように、特定の場所に居住権を持たない人を、パーペチュアルトラベラーと呼びます。
もしあなたがこのパーペチュアルトラベラーになれるのであれば、タックスヘイブンによる節税は簡単なものとなるでしょう。
タックスヘイブンで節税する方法について
居住権問題に関して、国籍を変えることは難しく時間も手間もかかります。
しかし「居住権がある場所」を変更するのであれば、これよりは簡単です。
まずタックスヘイブンによる節税を目的とするのであれば、住民票をタックスヘイブンに移しましょう。
その後、そのタックスヘイブンに365日のうち183日以上をそこで過ごすのです。
これは一気にその日数いなくとも、複数回で分かれていても大丈夫です。
海外に行くという行為を、「日本に海外旅行に行く」という逆の発想をして頂ければわかりやすいでしょうか。
とにかくこの「183日」という数字さえクリアできるのであれば、個人でもタックスヘイブンを行うことができます。
タックスヘイブンの地域へ移住する
「183日なんて数えてられない」そう思うのであれば、完璧にタックスヘイブンに移住してしまいましょう。
移住してから半年ほどはまだ日本に居住権があることになりますが、半年以上たてばあなたはもうタックスヘイブン先の地域の住民扱いです。
こうなれば、日本の税制は一切関係のない立場となります。
タックスヘイブンの地域でペーパーカンパニーを設立する
タックスヘイブン先にペーパーカンパニーを設立する方法も、個人でタックスヘイブンを行う際に有効です。
ただし規制で「ペーパーカンパニーは認めれらない」とされていますし、もし実績のない会社だとされれば日本の税制で課税されてしまいます。
そのためオフィスを用意したり従業員を雇うなどの、「実態のある会社」に見せる必要性はあります。
その後その法人の資産を「個人(あなた)に無償貸与する」という形をとれば、日本の税制ではなくタックスヘイブン先の税制で資産を受け取ることが可能です。
タックスヘイブンのメリット・デメリットとは?
個人でタックスヘイブンを行うには大きなハードルがあることはおわかり頂けたかと思います。
また最初に始めるまでのハードルはもちろん、タックスヘイブンを行うことで出てくるデメリットもあります。
しかしいざタックスヘイブンを活用することができれば、税制以外にもメリットはあるのです。
そんなタックスヘイブンに関するメリット・デメリットについては、下記の記事で詳しく紹介されています。
「タックスヘイブンにはどんなメリットやデメリットがあるのか?」
タックスヘイブンは安全?タックスヘイブンが抱える問題点
それぞれの国で定められている税法に従い行うタックスヘイブンは、違法性のない合法の節税方法です。
しかしこれを問題視される声が途切れることはなく、タックスヘイブンに関する規制も強化されていく一方となっています。
タックスヘイブンはなぜこんなにも問題視されるのでしょうか。
この答えは下記の記事で詳しく紹介されていますので、こちらも併せて参考にしてみましょう。
「タックスヘイブンによる節税は違法ではないのに何に問題があるのか?」
パナマ文書について知りたい場合は?
タックスヘイブン問題に対するひとつの知識として、知って損はないのがこのパナマ文書に関する情報です。
「パナマ文書流出事件」で世界中で話題になったこの事件をよく知ることで、よりタックスヘイブンに対する理解力も増すことでしょう。
ぜひこちらもご一読ください。
「タックスヘイブンのパナマ文書って何?分かりやすく解説します!」
日本のタックスヘイブンの対策税制
今回の個人でタックスヘイブンを行う際の高いハードルの元ともいえるのが、日本のタックスヘイブン税制対策です。
この税制対策について、分かりやすく解説してくれているのが下記の記事になります。
どういった場合にこの規制の対象となるのか、また規制対象外となるのはどのような場合なのか、こちらの記事で学んでおきましょう。
FXで利益が出たときもタックスヘイブンを活用
サポートが充実しているかどうか確認する
FXでの利益をタックスヘイブン活用により節税するのであれば、大前提として海外のFX業者を利用する必要があります。
しかしここで気を付けて欲しいのが、その海外FX業者のサポート体制です。
日本語に対応してくれている会社は数多く存在しますが、できれば電話対応なども日本語対応してくれる業者がおすすめです。
こうすることで、万が一の場合も素早い対応ができるでしょう。
FX口座への入金方法はどうか確認する
2つ目に確認して欲しいことが「入金方法」です。
海外のFX業者なのですから、現金書留で送るわけにもいきませんし、手数料の問題から銀行振り込みも受け付けていない業者もあります。
中にはクレジットカードでしか受け付けなかったり、ペイパルなどの電子マネーもOKとされる場合もあります。
この入金方法については、利用前に必ず確認しておくようにしましょう。
会社としては大丈夫か確認する
最後に気を付けたいのが会社の信頼性です。
ネットには数えきれないくらいの海外業者が存在しており、中には詐欺まがいの悪質な業者も混じっています。
口コミなどを検索したとしても、それすらも作られたものかもしれません。
名前が知られている一流企業を選んだり、実際に利用しているトレーダーと意見交換をしたりして、お金を預ける信用に足る業者を探すようにしましょう。
タックスヘイブンの投資は儲かるのか?
タックスヘイブンは多くの誤解がある
パナマ文書流出事件では、まるでパナマ文書に記載されている人物全てが犯罪者のような報道がされました。
またそれ以外にもタックスヘイブンを悪だと誤解している人が多いようです。
しかし繰り返しになりますが、タックスヘイブンそのものは犯罪ではありません。
「タックスヘイブンへの投資をしてみないか?」と言われ「犯罪に巻き込まれるかと思った」という友人が、筆者のまわりに実際にいます。
「節税する」ことを目的としてしまうと、規制のハードルなどから犯罪にならないか不安になるかもしれませんが、「投資をする」のであれば、それもひとつの資産運用なのです。
税金を徴収した後にお金をタックスヘイブン地域に送っても意味はない
では「タックスヘイブンに投資をしたら儲かるのか」と聞かれれば、それに答えることはできません。
これは株でもFXでも同じでしょう。
勝つときもあれば負ける時もあります。
しかし勝ち負けではなく、お金の送金について言うのであれば、知識がないと損することにはなります。
例えば「日本で買ったお金を出金してタックスヘイブン口座に入金しよう」としたとします。
しかしその出金したお金は、すでに課税された後のお金です。
これを更に海外に移すことで、日本に戻す際にもう1度課税されてしまう可能性があるのです。
海外に入金するお金はまだ課税前のものなのか、また日本に送金する際に課税対象となるのかなど、あらかじめしっかりと学んでおくことをおすすめします。
タックスヘイブンによる節税対策はリスクがある
今回は個人で行うタックスヘイブンについてご紹介してきましたが、やはり居住権という大きなハードルがある以上、簡単に行えるものではありません。
またこれは企業が行う場合も同じで、昨今ではタックスヘイブンに対する規制が強化されてきており、そう簡単に出来なくなってきているのです。
大きな節税効果をもたらしてくれるタックスヘイブンですが、現在それを行うには高いリスクが伴うということを忘れてはいけないのです。
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