日本生命の個人年金保険は本当にいいの?
日本生命の個人年金保険とは?
少子高齢化などの様々な問題によって、これからの公的年金は受給開始期間の変更、または受給金額の減少の可能性があります。そうした背景から、安心した老後に向けて個人で資金を積み立てる方も多いでしょう。
特に生命保険会社などが取り扱う、個人年金保険は最も人気がある貯蓄プランと言えるかもしれません。
今回は大手生命保険会社の1つである『日本生命』の個人年金保険についてご紹介していきたいと思います。
日本生命の個人年金~利率・保険内容・辺利率は?~
個人年金保険の商品内容は?
早速ですが、日本生命の個人年金保険についての詳しい商品内容からご紹介していきたいと思います。
そもそも個人年金保険についてですが、国民年金などの公的年金と異なり、自ら資金を積み立てることで老後に受給することができる私的年金となっています。
そのため契約した年から毎月一定額を積み立てた後に、一定期間、または一生涯積み立てた金額に応じて受給できる内容となっています。
日本生命が行う個人年金は契約時にあらかじめ受給金額が決められる有期年金と保証期間付きの終身年金があります。
有期年金は支払い期間は5年、10年、15年から選べ、選択した期間内において、毎年同額の年金受給が可能です。
日本生命の個人年金保険の返戻率はどれくらい?
個人年金保険を選ぶポイントに、どれだけ効率よく貯蓄できるのか気になる所ですが、日本生命の個人年金保険の貯蓄率(返戻率)はどのくらいでしょうか?
年齢やプランによって異なりますが、日本生命の例を参考に計算すると以下のようになります。(平成29年10月現在)
- 積立総額:6,847,920円
- 受給総額:7,200,000円
- 返戻率:105.1%
これは毎年72万円を受給できる10年確定年金を30歳から月々およそ1.9万円を30年間積み立てた場合の返戻率となっています。
この額は積み立てのみの結果ですので、他にある特約をつけると返戻率も変化してしまうので注意が必要です。
貯蓄率を他社と比較してみると
先ほど日本生命の個人年金保険における貯蓄率(返戻率)をご紹介しましたが、他社の個人年金保険と比較すると、この数値は優れていると言えるのでしょうか?
ここでは住友生命の取り扱う個人年金保険の『たのしみワンダフル』と比較してみましょう。
日本生命と全く同じ条件の例ではありませんが、同じ30歳からの加入で月々1.5万円を積み立てた場合、以下のような結果となります。
- 積立総額:5,400,000円
- 受給総額:5,741,000円
- 返戻率:106.3%
若干ながら返戻率で劣る結果となっています。
しかし、この結果は日本生命が積み立て後にすぐ年金受給されるのに対して、住友生命の場合は5年の据置期間を経過してからの受給によるものですので、据置期間を考慮していない日本生命の方がメリットと感じる人もいるでしょう。
年金受取開始年齢を遅くすると貯蓄率は良くなるのか?
先ほども紹介した据置期間ですが、なぜ積立金額を据え置くと返戻率(貯蓄率)が良くなるのでしょうか?
これは据置期間に保険会社がこれまで積み立てた資金を元に運用していくからです。その結果によっては、大きく利益をあげることができ、単純に積み立てるよりも高い返戻金を実現させています。
日本生命の個人年金の配当について
有配当保険となる商品の場合、会社の運用実績によって生じた予定利率以上の部分を配当として受け取ることが可能となります。
日本生命の個人年金保険の場合は、配当を積立金額に増額して受給開始に受け取ることが可能です。
しかし運用実績が予定した利率を下回る場合は、足りない利益部分を会社が負担する形となるため、当然配当に当てられる金額は0となります。
日本生命の予定利率について
個人年金保険を検討する際に最も注目するポイントとなるのが、先ほどもご紹介した返戻率と予定利率でしょう。
返戻率については先ほどご紹介しましたが、予定利率とは、個人年金保険の契約者に約束する利益率になります。つまりは積立金と総受給額の差となります。
この予定金利は平成29年現在の日本生命では前年度から0.5%ほど低下した、0.85%となっています。
日本生命の利率の推移について
先ほどご紹介した予定利率ですが、この利率はひと昔前の利率より低くなっています。
これは予定利率の元となる標準利率が年々低くなっていることが原因の1つに挙げられますが、それに伴い日本生命の個人年金保険の予定利率も1%を下回る数値と推移しています。
これにより、保険料の割り増しが行われる結果となり、この予定利率に関しては今後も下がる傾向にあると言えるでしょう。
日本生命『みらいのカタチ』メリットとデメリット
みらいのカタチのメリットとは?
ここまで日本生命の個人年金保険としてのみらいのカタチについてご紹介していきましたが、この商品の持つメリットとは一体どのようなものでしょうか?
みらいのカタチのメリットは、何と言っても必要な保証を組み合わせて1つで管理できる便利さとわかりやすさにあるでしょう。
みらいのカタチには、今回の説明でメインとなる年金保険以外にも、定期保険や3大疾病保証保険、特定損傷保険など契約者が必要と思う保証を自由に選ぶことができます。
また生前給付タイプの保険内容が充実しており、死亡保障は抑えて保険金を受け取りたい方にはオススメと言えるでしょう。
他にも保険料払込免除特約を付加していれば、所定の三大疾病等になった場合の保険料が免除されるため、病後も安心して生活できますね。
みらいのカタチのデメリットとは?
逆にみらいのカタチのデメリットはどのような所になるのでしょうか?
まず1つ目に生前給付タイプの保証が充実している代わりに、生前給付金を受け取ると死亡保証が減ってしまうことが挙げられます。
また死亡保証を低くすることは可能ですが、死亡保証が付いてくる商品のみとなっているので、全く必要と感じない方にとっては保険料が割高に感じられるでしょう。
他にもがん治療などに使用されることの多い先進医療特約がない点に関しても、注意する必要があります。
日本生命の個人年金を解約するとどうなる?
解約するとどうなる?
老後の備えとして月々積み立てていく個人年金保険ですが、急な出費で保険料の支払いが困難になる場合もあるでしょう。他にもまとまったお金が必要となり、老後のために積み立てたお金を引き出したくなることもあると思います。
その場合、多くの人が解約を選ぶと思いますが、解約すると基本的に解約返戻金はこれまで支払った払込保険料より少ない額となります。
これは予定利率で保証されている利率は年利と異なり、満期に達した時点での予定の利益率であるためです。
毎月積み立てたお金に年利としてお金が上乗せされる訳ではないことに注意する必要があります。
またお金に余裕ができた後に加入し直す場合も、健康状態によっては加入を断られる場合もあり、加入できても最初の契約より年齢分だけ保険料も割高となってしまいます。
保険料の支払いが厳しいけど解約したくない場合方法はある?
解約すると支払った金額より損をする場合が多い訳ですが、では解約せずに支払いを止める方法はあるのでしょうか?
方法としては払済保険に変更することが挙げられます。
これは払い込みを中止した際の解約返戻金で一括払いの保険へと変更する方法で、保証期間などを変えずに変更することが可能です。
これによって保証額が下がりますが、保険料の払い込みを中止しながら同じ保険期間の保険へと切り替えが可能です。
ただし払込保険への変更は、保険の種類によって最低払込額が決まっているので、必ず切り替えられるものではありません。
まとまったお金が必要な場合契約貸付金を借りる事ができる?
解約を検討する人の中には、まとまったお金が必要となり保険の解約を考える人もいると思います。
その際に便利なのが、契約貸付制度です。
聞き慣れない言葉ですが、これは解約払戻金の一定の範囲内で保険会社がお金を貸してくれる制度となります。
そのため解約払戻金以内であれば、一時的にお金を融資してもらうことが可能となります。
ただし、借りたお金には利息が発生し、しっかりと返済されなかった場合は保険が失効してしまうので、計画的に利用するようにしましょう。
保険料の支払いを抑える事ができる?
支払いによる金銭苦を押さえる手段として、保険の支払いを止める以外に保険料の支払い額を見直す方法があります。
これは現在の保険にかけられている特約や保障額を解約、減額することによって支払う保険料を減らす方法です。
支払い額も保障内容によって変化するため、支払いを抑えれば抑えるほど保障も薄くなってしまいますが、無駄に保障を掛けてすぎている場合には有効な手段と言えるでしょう。
日本生命の解約払戻金について
日本生命だけでなくどの個人年金でも言えることですが、途中解約による解約払戻金は基本的に支払い金額より低いものとなります。
現在日本生命が取り扱う個人年金保険の『みらいのカタチ』に関しては、参考となる払戻金額の一覧は出ていません。
以前に取り扱っていた『ニッセイ投資型年金』を例に挙げるとすれば、10年未満による解約に関しては、基本給付金額の0.8~8%に当たる解約控除が発生します。
特に契約期間が短ければ短いほど、解約払戻金額も少なくなると言えるでしょう。
日本生命の個人年金保険をシミュレションしてみよう!
個人年金保険をシミュレーション
ここまで日本生命の個人年金保険について様々な特徴や情報をご紹介していきましたが、ここでわかりやすくシミュレーションとしてまとめたいと思います。
返戻率の説明の際に男性でご紹介したので、ここでは30歳女性が10年確定年金に申し込んだ場合の例です。
開始年齢 |
30歳 |
払込満了・年金開始年齢 |
60歳 |
月払い保険料 |
19,008円 |
累計保険料 |
6,842,880円 |
累計年金額 |
7,200,000円 |
返戻率 |
105.2% |
日本生命のみらいのカタチは、主に12種類の保険を掛け合わせることができるため、この年金保険もその1つとなっています。
特徴として様々なリスクを想定して保険を自由に掛け合わせられるメリットがありますが、老後の資金という観点で見れば、ここでシミュレーションした返戻率が比較的高い数値となるでしょう。
そのため保険を掛け合わせる場合は、返戻率は低下する可能性があるので、自分に合ったプランをしっかり考える必要があるでしょう。
日本生命のみらいのカタチの評判は?
日本生命の年金保険は他社に比べて返戻率は元より利回りも低い
日本生命の内容を説明しましたが、保険選びの際には、実際に保険を検討や契約した人による評判も気になると思います。
では日本生命の個人年金保険の評判は一体どのようなものでしょうか?
多く取り上げられる評判として挙げられるのが、返戻率の低さです。
これは住友生命との比較でもご紹介しましたが、返戻率が決して高いとは言えない商品内容となっています。
代わりに個人年金だけでなく、総合的な保障を得られる商品内容ですので、貯蓄をしながら様々なリスクに備えたいと思っている方に評価を得ているようです。
ただし、保険料払込免除が特約となっている点などのデメリットがある点には注意が必要です。
しかしながら、平成29年4月の保険料の値上げに伴い、個人年金保険は全体的に返戻率も低くなっています。
ですので、返戻率だけでなく様々なリスクに備えることができるみらいのカタチは、貯蓄だけでなくトータルバランスで見れば優れた保険商品と言えるでしょう。
日本生命の個人年金おすすめプランについて
個人年金保険おすすめプランは?
日本生命の個人年金保険の種類として、ここまでご紹介した『みらいのカタチ』と健康状態の告知が不要の50歳以上を対象とした長寿生存保険『グランエイジ』があります。
みらいのカタチはここまでご紹介してきた通り、様々なリスクに総合的に備えることができる保険内容となっていますが、グランエイジは死亡保障を行わず解約払戻金を低くすることで、高い返戻率を実現しています。
例えば、10年確定年金に50歳男性が申し込んだ場合の例が以下の通りです。
- 積立総額:5,621,760円
- 受給総額:6,000,000円
- 返戻率:106,7%
このようにみらいのカタチと比較するとグランエイジの方が返戻率が高いことがわかります。
みらいのカタチの場合は個人年金だけでなく様々な保障を自分で必要と思うだけ選択する必要があり、総合的なバランスで個人年金を選ぶ際にオススメと言えるでしょう。
一方でグランエイジは10年確定年金だけでなく、5年保障期間付終身年金もあるため、年齢や健康状態を気にすることなく、直前に迫った長い老後の安心を得たい方にオススメと言えるでしょう。
個人年金保険は自分にあったものをしっかり選ぼう!
日本生命の個人年金保険についてご紹介しましたが、いかがでしたか?
主に若い方であれば、みらいのカタチを検討することになると思いますが、返戻率の低さから検討外と考える方も多いと思います。
しかし、返戻率はどこの保険会社も低い数値を推移しており、個人年金も微差の貯蓄性能だけでなく、トータルで見た満足度で選ぶ必要があるかもしれません。ですので、貯蓄をしながら総合的にリスクに備えることが可能な日本生命の個人年金で、長い人生の安心に役立ててはいかがでしょうか?
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