• ドル安だとどんな影響がある?その要因とメリット・デメリットをわかりやすく解説します

2017/07/07

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ドル安だとどんな影響がある?その要因とメリット・デメリットをわかりやすく解説します

ドルが安いとどうなるの?

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ニュースや新聞を見ていると、外国為替相場についての報道が毎日のように行われています。外国為替はリアルタイムに変動しますが、長い目で見た場合には経済に対して大きな影響を与えます。

 

今回の記事では為替相場の中から、ドル安にスポットをあてて、その特徴やメリットデメリットについて詳しく解説いたします。経済オンチだという人でも問題なくお読みいただけるように、サラッと解説したいと思います。

 

ドル安とは?

ドル安とは、ドルの価値が下がることをいいます。たとえば1ドル100円から1ドル200円になった場合、ドル高になったのでしょうか?それともドル安になったのでしょうか?(こんな相場はなかなかあり得ませんが、分かりやすくするための参考例です。)


 

これは、ドルの価値が100円から200円に上がったので、ドル高となったことになります。逆に1ドル100円から50円になった場合には、ドルの価値が下がっているのでドル安といいます。

 

ドル安になると、海外の品物が安く手に入るため、輸入企業が利益を生みやすいというメリットがありますが、一方で輸出企業が利益を出しにくいというデメリットもあります。ドル高やドル安は、実は一長一短があるのです。

 

ドル安の特徴について

ドル安だとどんな影響がある?その要因とメリット・デメリットをわかりやすく解説します

ドル安の特徴をもう少し詳しく見て行きましょう。ドル安になると1ドルの価値が下がるため、海外の品物を安価で手に入れることは分かったとしても、そもそもドル安になる要因とは何なのでしょうか?

 

また、ドル安とかドル高とかを示す指標は何を見れば分かるのでしょうか?これらドル安のキホンについて考えて行きたいと思います。

 

ドル安になる要因とは?

ドル安になる原因は、さまざまな要因が重なり合うためひと口には言い難いのですが、たとえばアメリカの景気が悪化した場合には、ドルで預金している人やドルに投資している人が今後のドル安を敬遠し、他の通貨を保有することでドル安になる場合があります

 

また、ドルそのものの価値が変わらなくても、他の諸外国の通貨の価値が上がることで、相対的にドルが安くなる場合もあります。要するに、経済事情を鑑みた投資家の心理が反映されることが要因なのですが、その引き金としては色々な要素が含まれています。

 

大統領選挙、戦争、災害、要人の発言、金融情勢、雇用情勢など、さまざまな要因が重なり合って、ドル相場に影響を与えるのです。

 

ドルの価値を示す指標とは?

ドルの価値を示す指標は、為替レートを見れば一目瞭然です。為替レートは各証券会社のサイトでも確認することができますが、Yahoo!JapanやGoogleなどの検索エンジンでファイナンス情報を確認することも可能です。

 

当記事を執筆している2017年7月5日の15時現在の相場は、1ドル113円となっており、ユーロ/ドルが1ユーロ1.13ドルとなっています。また英ポンド/ドルが1.29ドルという具合に、各通貨ごとに値段が決まっており、リアルタイムに変動しています。

 

あなたがこの記事をお読みになった時の相場と比較すると、どれくらいの期間でどれくらい相場が変わっているかを確認することができますよ。


 

円高とは?

さて、ここまでドル安のテーマということで、ドルを中心にお話してまいりましたが、ちょっと視点を変えて日本円から見た相場をご紹介しましょう。円も円高や円安があります。

 

ドルと同様に円も価値が上下するからです。では、ニュースでよく耳にする円高とは一体どういうことなのでしょうか?これは先ほどの例で見ると分かりやすいかと思うのですが、1ドル100円から1ドル200円になった場合、円高になったのでしょうか?それとも円安になったのでしょうか?

 

この場合は、円から見た立場なので、円安になっています。逆に1ドル100円から50円になった場合には、1ドルを手に入れるために50円で済むようになっているので、円の価値が上がる、つまり円高になっています。


 

ドルが安くなると円高になる

このように、ドル/円の相場では、それぞれの通貨値動きすることによって、相対的にどちらかが高くなり、どちらかが低くなるのです。ドルが安くなれば円が高くなり、ドルが高くなれば円が安くなります。

 

この結果、たとえばアメリカも日本も不景気に陥り、両方の通貨が安かったとしても、相対的な為替レートとなるために、一方が安く、一方が高くなってしまいます。高くなった国から見ると、不景気なのに通過の価値が上がっているように見えて不思議に思えるかも知れませんが、それは相対的な相場だからなのです。

 

ドル安のメリット・デメリットとは?

ドル安だとどんな影響がある?その要因とメリット・デメリットをわかりやすく解説します

外国為替相場の変動は、一長一短であると紹介しました。つまり、メリットとデメリットがあるのです。これは、ドル高になってもメリットとデメリットがありますし、ドル安になってもメリットとデメリットがあります。

 

それぞれの値動きによって、影響を受ける業界が異なるため、恩恵を受けるところもあれば、実害を受けるところもあるのです。では、ドル安のメリットとデメリットについて具体的に解説します。

 

ドル安のメリットとは?

ドル安のメリットは、ドルが安くなることによって、アメリカの輸出企業が設けやすくなります。ドルが安くなるということは、アメリカから見た外国の通貨が高くなるということなので、アメリカの商品を安く買ってもらうことができます。

 

ドル建ての取引や円建ての取引、関税などの諸条件を無視して分かりやすく解説すると、たとえば1ドル200円の相場が1ドル100円までドル安になったとしましょう。もしも10,000ドルの車を日本に輸出した場合、1ドル200円の時には200万円で購入することとなります。しかし、1ドル100円までドル安になった場合には、100万円で同じ車を購入することができます。

 

つまり、ドル安になったことで、アメリカの輸出企業はビジネスチャンスを増やせるという期待が持てるのです。

 

ドル安のデメリットとは?

逆に、ドル安になることによって、アメリカの輸入企業は苦しくなってしまいます。同じレートで解説すると、1ドル200円の時には、1ドル出せば200円のものを買うことができたのです。しかし、1ドル100円までドル安になると、2ドル出さないと200円のものが買えなくなります。

 

その結果、輸入企業が海外からものを仕入れた時に、より高い金額で仕入れなければならないため、仕入れ金額が上がってしまいます。もしもその分を商品単価に乗せた場合には、売れ行きが悪くなる傾向があるため、輸入企業にとってはドル安はマイナス要因となるのです。

 

ドル安の世界への影響とは?

ドル安だとどんな影響がある?その要因とメリット・デメリットをわかりやすく解説します

グローバル社会と言われている現代社会において、世界経済は密接に連動しているため、ドル安は世界規模で影響が出るといわれています。では、ドル安になることによる世界への影響はどのようなことが考えられるのでしょうか?

 

ドルが下がる原因とは?

ドルが下がる原因は、ドル安の項目でも解説したように、各国の通貨に対して相対的にドルの価値が下がった時にドルの値段が下がります。その原則を考慮すると、他の国の経済状態に良い材料が出た場合には他の国の通貨が買われるため、ドルの値段が下がりやすくなります。

 

ドル離れとは?

実は最近ドル離れが起きていることをご存知でしょうか?アメリカ経済の低調に加え、ユーロが第二の基軸通貨として期待されるほど安定性を持つようになりました。そのため、低調なアメリカドルを売り、ユーロに鞍替えする人が増えているため、ドル離れが進む結果となっているのです。

 

中東諸国のドルペッグ制離れとは?

ドル離れが進んだ結果、自分の国の通貨をアメリカドルと連動させるドルペッグ制の維持が困難になってきました。ドルペッグ制は、アメリカが利下げした場合、自分の国の利下げも行わないと維持できないという性質があるのですが、物価上昇率が高い国で利率を下げると、さらに物価が上がってしまうことが懸念されます。

 

そのため、物価上昇率の高い中東諸国は利下げが難しく、同時にドルペッグ制の維持も困難という状況となっています。

 

ドル安での日本への影響とは?

ドル安による日本企業への影響は、考え方はこれまでの説明と同じです。ドルが安くなり、円が高くなると、輸入企業が潤って、輸出企業には打撃となります。1ドル200円が1ドル100円になった場合、輸入企業はこれまでの半額で仕入れができますが、輸出企業の商品はアメリカ国内で倍の金額となります。

 

しかし、どれほど影響がでるのかは、想像が難しいかも知れません。そこで、日本でもトップクラスの企業であるトヨタを例に取ると、なんと1円円高になると営業利益が350億円減少します。

 

このことからお分かりいただけるように、為替相場の影響は、実は企業にとっては死活問題となるほど大きな事柄です。それが、貿易をしている企業が為替相場を血眼になって見ている理由なのです。

 

そのため、ドル安になることやドル高になることは、外国と取引のある企業にとって利益に直結する要因となります。そのため、これらの企業では常に為替相場を意識し、一定の予測の元で経営をしています。

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