法人の節税方法にはどんなものがあるのか?分かりやすく紹介します!
法人の節税をする前に押さえておきたいポイントとは?
税金の世界は「知っている人が得をして、知らない人が損をする」ように出来ています。
今回は法人の方に見て頂きたい、損をしないための節税方法をご紹介していきましょう。
節税対策前に理解しておきたい事とは?
節税は脱税や租税回避とは違う事を知っておく
「節税」とは、法律の範囲内で無駄な税金を払わないようにすることです。
しかし「脱税」は、法律に違反して税金を免れるという犯罪行為です。
他に「租税回避」というのもあります。
これは法律の抜け穴をくぐって税金を免れるグレーゾーンの行為です。
刑罰はありませんが、「否認」といってその行為自体が認められず、課税されてしまうリスクが高いものになります。
節税する際は「脱税」や「租税回避」にあたる恐れがないか、注意深く見極める必要があります。
課税の繰り延べに注意しよう
「課税の繰り延べ」という言葉があります。
これは「一時的に税金が安くなるけれども、結局は税金を払わなければならなくなる」ことを言います。
つまり課税のタイミングを後にずらしているだけということです。
これは本来の意味での節税とは微妙に違います。
事業活動の資金が最優先である
本来事業活動に回すべき資金を「節税対策」に回すのは本末転倒です。
資金を事業活動に回して多くの利益を出すことを大前提にし、その後でいかに節税できるかを考えましょう。
決算のシミュレーションをしておこう!
決算の3ヵ月前でやるべき事とは?
決算の3ヶ月前に必ずやるべきことは、「決算対策シミュレーション」です。
9ヶ月分の「月次決算」の結果を元にして、残りの3ヶ月の売上、仕入、経費の予想をします。
予想した残り3ヶ月の予想利益と、すでに確定している9ヶ月分の利益を合計して、決算の予想利益のシミュレーションを行いましょう。
決算直前にやっておくべき事とは?
決算直前にすべきなのは、「節税チェック」です。
下記の「節税チェックシート」を利用して、経費の計上漏れを防ぎましょう。
決算後にやるべき事とは?
決算後にやるべき事は「役員報酬シミュレーション」です。
適正価格で設定することで、大きな節税に繋げることができます。
決算後2ヵ月以内にやっておくべき事とは?
法人の申告は、決算日から2ヶ月以内と決められています。
この申告のときに、同時に確認しておいて欲しいのが「年間税金スケジュール」です。
抑えておきたい節税の種類について
優先したいお金を使わない節税対策について
お金を使わない節税には、下記のような例が挙げられます。
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・役員報酬額を最適なところに設定する
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・旅費規程の作成
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・在庫の評価見直し
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・特別償却・税額控除
お金は使うが将来的に役に立つ投資型の節税対策について
お金は使うけれど将来につながる投資型の節税は、会社によっては広告宣伝費に投資するところもあれば、人材確保のために投資するところもあるでしょう。
費用はかかるけれども、先を見越して自身のプラスになる節税方法です。
お金は使うが会社を守るための保守的な節税対策について
お金は使うけれど会社を守るための保守的な節税法には、生命保険に加入したり、倒産防止共済に加入するという方法が考えられます。
上記の「お金は使うけれど将来につながる投資型の節税」同様、まずは自分の会社にとってどの節税を優先させたいかを決め、優先順位の高いものから実行していくようにしましょう。
無駄な消費型の節税について
お金を使う消費型の節税、それは「物を買うことで経費として計上する」という方法です。
これは上記でも述べたように、その時期と順序を誤ると自分が苦しくなることも考えられます。
簡単にできる方法ではありますが、しっかりと金額を計算してから行うようにしましょう。
優先したいお金を使わない節税対策にはどんなものがある?
お金を使わない節税対策とは
お金を使わない節税対策には下記のようなものが挙げられます。
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役員報酬を検討する
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旅費規程を作って税金のかからない経費を作る
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未払金や未払費用を今期に計上できるか検討する
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回収できない売掛金などの不良債権を経費にする
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決算期を変更する
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評価損が無いか確認した上で経費にする
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除却や廃棄の検討を行う
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役員社宅を検討する
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飲食代の交際費と会議費を経費としておとす
中小企業が利用できる特別減税制度について
中小企業の投資を少しでも支援しようとする目的で、中小企業にしか使えない減税制度があるのをご存知ですか?
有名なものとしては下記の3つの制度があります。
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投資促進税制
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試験研究税制
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所得拡大促進税制・雇用促進税制
法人税を減額できるものもありますので、ぜひ利用を検討してみましょう。
お金は使うが将来的に役に立つ投資型の節税対策にはどんなものがある?
お金は使うが将来的に役に立つ投資型の節税対策とは?
お金は使うが将来的に役に立つ投資型の節税対策には下記のようなものが挙げられます。
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短期前払費用を検討する
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中古資産の減価償却を検討する
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経費でおとすためにカーナビ等は後からつける
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必要な消耗品を購入しておく
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社員旅行を経費にして節税を検討する
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決算賞与を検討する
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従業員の社宅を検討する
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決算が近くなれば広告宣伝費で節税する事を検討する
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人材に投資する事を検討する
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社内規定設備に投資する事を検討する
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別会社を立ち上げて節税する事を検討する
福利厚生費を活用して節税を検討する
福利厚生費は、会社にとって経費となるだけでなく、恩恵を受ける従業員や役員にとっても非課税となります。
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・法人の経費計上:可能
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・個人の所得税:所得税非課税
このように双方ダブルで恩恵を受けられます。
該当する費用があるのなら、従業員の労働意欲維持、士気向上、人材確保のためにも、是非活用してみましょう。
お金は使うが会社を守るための保守的な節税対策にはどんなものがある?
お金は使うが会社を守るための保守的な節税対策とは?
お金は使うが会社を守るための保守的な節税対策には下記のようなものが挙げられます。
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小規模企業共済に加入する事を検討する
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中小企業倒産防止共済制度に加入する事を検討する
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中小企業退職金共済に加入する事を検討する
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健康診断を経費としてあげる
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役員が生命保険等の商品に加入して節税する事を検討する
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節税に使える生命保険の種類を把握する
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生命保険を使った退職金プランの活用を検討する
法人による不動産投資のメリットとデメリットについて
不動産投資の節税のメリットとは?
不動産投資の節税のメリットは5つです。
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不動産の減価償却によって、所得税・住民税あるいは法人税が軽減される
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不動産投資は保育料まで節約できる
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不動産投資≒不動産経営なので、経営に関わる経費を計上できる
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個人では5年以上、法人では経常利益が800万円未満であれば利益が出ても低い税率しか取られない
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相続税の節税もできる
不動産投資の節税のデメリットとは?
不動産投資の節税のデメリットは5つです。
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固定資産税・不動産取得税が発生する
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数年後に収益が損失を上回って、増税になる可能性が高い
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管理費・修繕費・保険料などの維持費用がかかる
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売却のときに多くの税金を支払う可能性がある
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節税ではなく、ただ損をしてしまう可能性がある
不動産投資のリスクを知ろう
不動産投資のリスクは5つです。
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入居者が現れない、家賃が下がる
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維持費が膨らみ、収益が出なくなる
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不動産を売却できない、できても損をする
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震災によって不動産がなくなる
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金融機関から有利な条件で借り入れがしにくくなる
法人の自動車による節税のメリットとデメリットについて
自動車を節税目的で購入するメリットとは?
法人で自動車を購入することで、その取得価格の全額を1年間償却し、損金にすることができます。
自動車を節税目的で購入するデメリットとは?
毎月の償却なので、決算月に自動車を購入してもその期は1か月分しか償却はできません。
自動車による節税の抑えておきたいポイントについて
自動車には、「新車・中古車」「何年落ち」というものがありますが、「3年10カ月以上落ちの中古自動車」が節税では最も効果があります。
それは1年で購入金額をすべて減価償却で損金計上でき、なおかつ売却でも有利な価格で売却できる可能性が高いためです。
法人がふるさと納税を行う際に気を付ける事とは?
経営に通じる税務や会計について
多くの自治体で、ふるさと納税をすると個人・法人を問わずに、寄付金の額に応じて特産品が貰えます。
しかし貰った特産品は、法人では収益として計上しなければいけません。
また確定申告時の税制の優遇についても、個人と法人でも違います。
個人の場合
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一定金額までは寄付金の額から2,000円を差し引いた全額が所得税・住民税から控除
法人の場合
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特定寄付金に該当し、全額損金にはなるものの、寄付した額に対して実行税率を乗じた税金だけしか節税効果はない
結論として法人でもふるさと納税は可能ですが、個人ほどにはメリットは少ないのです。
企業の節税対策について国への報告が義務になる可能性がある?
2017年度から義務化されるのか?
企業が行う節税対策について、2017年度から税理士やコンサルタント、節税策の提供を受ける企業に対して、国へ報告するよう義務付ける検討が始まりました。
国に報告する目的は?
国に報告する目的は4つです。
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過度な節税対策をけん制する
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国の税収減を緩和する
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企業間の不公平感を和らげる
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国際的な枠組みが整備されつつあるなか欧米諸国と足並みを揃える
対象となる節税対策にはどんなものがあるのか?
今後具体的な検討に入る予定で、まだ対象となる節税対策はわかりません。
今後の動きに注意が必要
早ければ2017年の通常国会で関連法を改正し、同年度にも義務化が始まるようです。
資本金1億円以下の中小企業は対象から外す予定のようですが、これもどうなるかわかりません。
今後の動きには注意が必要です。
良い節税方法と悪い節税方法を把握しておこう!
法人では多くの節税対策を利用できますが、どれが自分の会社にとって最善なのかは個々でかわります。良い節税方法と悪い節税方法があることを理解し、賢く節税を行うようにしましょう。
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