生前贈与で出来る節税にはどんな事がある?注意点についても詳しく解説!
生前贈与って何?
生前贈与とは、これから相続を控えている方が、生前から将来相続人になる人物に財産を贈与することです。
今回はこの生前贈与について、詳しくご紹介していきましょう。
生前贈与には2つの課税がある
暦年課税とは?
暦年課税を選択した場合は、受贈者が1年間で受け取った財産の合計金額が110万円を越えた時に贈与税がかかります。
相続時精算課税とは?
相続時精算課税は、60歳以上の親か祖父母から20歳以上の子供か孫への贈与の場合に選択できる方法です。
この方法では、受け取った金額が通算で2,500万円までなら贈与税はかかりません。
生前贈与の6つの非課税枠について
基礎控除とは?
1年間で贈与を受けた金額が110万円以下なら、贈与税は課税されません。
この110万円が「基礎控除額」になります。
相続時精算課税の特例とは?
60歳以上の親か祖父母から20歳以上の子供か孫への贈与は、2,500万円までなら非課税となります。
住宅取得資金贈与の特例とは?
自分たちが住む住宅の購入資金を、親や祖父母から贈与してもらう場合は、条件によって最大3,000万円までの贈与が非課税です。
夫婦間贈与の特例とは?
婚姻期間が20年を越える夫婦の、夫から妻へ、または妻から夫へ居住用不動産を贈与する場合、2,000万円までが非課税となります。
教育資金贈与の特例とは?
30歳未満の子供や孫に対する教育資金の贈与は、1,500万円までなら非課税です。
結婚子育て資金贈与の特例とは?
20歳から49歳までの子供や孫の結婚・子育て資金について贈与する場合は、1,000万円までが非課税となります。
しかしこれが「結婚資金として」になると、その金額は300万円までです。
元々まとまったお金を贈与するつもりだったと悟られてはいけない
かなりの額を税金の支払い無しで生前贈与するつもりであれば、毎年110万円を贈与し続ける方法が一番効率的です。
しかし税務署に最初からまとまった金額を贈与するつもりであるとみなされてしまうと、多額の贈与税が課せられてしまう可能性があります。
生前贈与の非課税を上手に利用するコツについて
基礎控除を少し越える贈与であえて贈与税を支払う
毎年110万円の贈与を行っていると、まとまった金額の贈与を企んでいると疑われる可能性があります。
そこでおすすめする方法が、基礎控除を少し上回る生前贈与を行うことです。
今後価値の上がる相続財産については相続時精算課税制度を利用
相続時精算課税制度の利用は、今後価値の上がる相続財産に対して特に有効な手段です。
相続財産としての評価額は、贈与時の評価額となるためです。
暦年課税と相続時精算課税を賢く使い分ける
財産の種類や総額に合わせて、贈与税を非課税とする方法「暦年課税」と「相続時精算課税」を使い分けましょう。
孫に直接贈与した場合で贈与税自体が発生しないことがある
子供ではなく孫に直接贈与した場合は、贈与税自体が発生しないことがあります。
孫の教育費を祖父が支払うことは、扶養義務を果たしたことになるためです。
相続税や贈与税を節税について
貸家(アパート)の購入することで相続税の節税ができる
現金そのものを保有している場合には、税金計算のもとになる相続税評価額を下げることは出来ません。
しかし現金で不動産を購入すると、不動産の相続税評価額は現金で持っているときよりも約3割価値が下がります。
生命保険を利用した相続税の節税
生命保険には「終身保険」や「養老保険」など、支払った保険料のうちほぼ100%戻ってくる商品もあります。
つまり支払った保険料がそのまま戻ってきて、かつ節税になるので、貯蓄型の生命保険は非常にお得になります。
養子縁組による節税がある
養子縁組による節税効果は3つあります。
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基礎控除額が増える
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生命保険の非課税枠が増える
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相続税の税率が下がる
信託を利用した相続税の節税ができる
信託銀行は、土地所有者から土地の信託を受けて土地所有者の移転を行います。
信託された土地に貸しビルやマンションが建てば、貸家建付地として評価減が認められますので、相続税が節税されます。
広大地評価を利用して節税ができる
広大地評価を利用することで、納税額が数百万円から数千万円違ってきます。
小規模宅地の特例を利用して節税ができる
土地の要件が複雑なのでここでは割愛させて頂きますが、50%~80%の評価減が可能なため、非常に節税効果が高いです。
お墓や仏壇を生前に購入すると相続税が変わってくる
お墓や仏壇を購入する予定がある方は、「相続発生前」に購入するか「相続発生後」に購入するかで、相続税の納税額が変わります。
「相続発生前」に購入すれば、相続税の節税効果がありますよ。
海外移住で節税する方法も
海外には相続税がゼロの国があります。
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シンガポール
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マレーシア
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オーストラリア
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カナダ
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香港
上記の国に全ての財産を移すことができれば、相続税はゼロになります。
生前贈与をするときはどんな事を注意すればいいのか?
生前贈の注意点について
生前贈与をするには注意するべきポイントがいくつかあります。
きちんと注意点を抑えておかなければ
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・贈与税の課税対象になる
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・贈与と認められず結局相続財産として残る
このような失敗をすることも考えられます。
控除額(金額)に注意しよう
贈与税の税率は、相続税の税率よりも高いです。
「気づいたら控除額を超えていて贈与税の対象になっていた」なんてことにならないように気を付けましょう。
贈与したやり取りはきちんと残そう
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・贈与契約書を作成して公証役場で日付をとる
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・送金した記録を銀行振込などの形に残す
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・基礎控除額を少し上回るようにして贈与税の申請と納付をする
このような方法で「贈与をした」ということをきちんと形に残しましょう。
贈与した時期によっては相続財産になる事もある
3年以内に贈与された財産は、贈与税の対象であっても相続財産として加算されることがあります。
生前贈与は早い段階から計画的に行っていくことをおすすめします。
高額な財産を生前贈与する場合は専門家の意見を聞こう
高額な財産を他の人に移す際は、専門家の意見を取り入れることを忘れないようにしましょう。
税金に関することは「税理士」、生活に関わるお金に関することなら「FP」に相談すると良いでしょう。
贈与にあたっては当事者同士の合意が必要になる
生前贈与にあたっては当事者同士で贈与の合意があることが不可欠です。
現金の受け渡しはしてはいけない
現金での受け渡しはNGです。
預金口座間で送金手続きを行いましょう。
通帳や印鑑の管理まで贈与となる
生前贈与をするのですから、通帳や印鑑の管理まで全て贈与しましょう。
これを怠ると、生前贈与と認められない場合があります。
名義預金について
名義預金とは?
生前贈与として「親が子供の口座に毎年お金を振り込んでいる」場合、その子供の預金が、親の預金とみなされて、相続税が課せられることがあります。
名義は子供であっても、実質的には親が管理する親の預金であるためです。
名義預金は、親が亡くなった時に親の相続財産に含まれ、相続税の課税対象となります。
名義預金にされないための方法とは?
名義預金にされないために、3つの方法があります。
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贈与契約書を作成する
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子供が自分で開設した預金口座に振り込む
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通帳、カード、印鑑を子供本人が管理する
生前贈与で不動産を贈与する時に贈与税を節税する方法について
不動産の生前贈与のメリットとデメリットとは?
メリット
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贈与する相手を決められる
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贈与により財産を減らし、相続税を減らすことができる
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比較的短期間に贈与が可能
デメリット
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不動産と土地の市場価値によって高額な贈与税が課せられる
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不動産取得税などの費用がかかる
不動産の生前贈与は相続時精算課税制度を利用すると良い
不動産の評価額は、暦年課税でカバーできる非課税枠110万円を越えるケースが多いため、相続時精算課税制度の利用がおすすめです。
不動産を生前贈与する方法について
不動産の生前贈与は書類を作成し、申請すれば行われます。
しかし書類作成量が多く内容が難しい点もあるため、行政書士や司法書士などに依頼すると良いでしょう。
不動産の生前贈与でかかる費用とは?
不動産の生前贈与には、一定の費用がかかってしまいます。
贈与税は相続時精算課税制度などで非課税とできますが、不動産の名義変更に関わる費用の「登録免許税」と「不動産取得税」が必要となるのです。
生前贈与で不動産を贈与する時の注意点について
暦年課税を利用する場合、1年ごとに110万円の基礎控除が認められているため、できるだけ長い期間贈与を行った方が税の負担は少なくなります。
ただし途中で贈与者が死亡した場合は、その後の遺産は相続税の課税対象となりますし、相続発生の3年以内の贈与についても、相続税の課税対象となってしまいますので注意しましょう。
生前相続する際は金額に注意して行おう!
生前贈与を行う際は、「贈与」になるのか「相続」になるのかをしっかり確認せねばなりません。
今回の情報を参考にし、正しい方法で生前贈与行いましょう。
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