資産管理会社で節税できるのはどうして?
資産管理会社って何?
資産管理会社とは、個人または家族の資産管理を目的としている会社法人をいいます。
今回はこの資産管理会社についてご紹介していきましょう。
資産管理会社で節税できるしくみ
資産管理会社の経費について
個人でも法人でも、経費として認められるものは「その事業にあたり必要とされる費用」です。
資産管理会社による節税について
資産管理会社においては「役員報酬」が経費の中で一番大きな割合を占めます。
資産承継のための入れ物について
相続税に対する防衛策としては、不動産資産への換価が一般的です。
相続税評価の高いものから、評価の低いものに資産をシフトするのです。
収益用不動産を取得すれば、さらに相続税評価を下げることができますし、保有中にも現金収入を生みだしてくれます。
資産管理会社を設立するメリットがあるのはどんな人?
家計を守る
-
国民年金の保険料増と支給減
-
健康保険の保険料増と診療窓口負担の引き上げ
-
介護保険料の引上げ
-
児童手当・高校授業料無償の見直し
様々な法改正が行われています。
「税と社会保障の一体改革」と言われていますが、結局税負担による増収だけではまかないきれず、社会保障制度も軋んできているのです。
プロ野球選手にならってみよう!
プロ野球選手は法人を立ち上げることで税金対策を行います。
この場合、球団と選手個人との年俸契約ではなく、球団と資産管理会社との業務委託契約とし、自らは自分の会社から給料をもらうという形をとります。
サラリーマンが法人を設立するとどうなる?
一般的には賃貸用不動産の取得、つまり不動産投資事業を行います。
不動産投資を法人格で行うことにより、経費計上、所得分散の点において、法人設立のメリットを享受することが可能となります。
資産管理会社を活用すると節税になる理由
所得税と法人税の税率と経費の取り扱いの違いについて知る事ができる
資産管理会社を通すことで得られるメリットは、実際のお金だけでなく知識量にも比例します。
利用料を支払ったとしても、その見返りは大きいと言えるでしょう。
事実上の生前贈与で相続に備える事ができる
資産管理会社に資産の所有者本人と将来の相続人を役員に就任させ、役員報酬という形で資産管理会社から金銭を支払うことにより、現金資産の移転が可能です。
損益通算や繰越控除を利用した節税効果がある
損益通算とは「複数の経済活動をひとまとめにして税務上の計算をする」という意味です。
繰越控除は、青色申告をしている法人が9年間にわたって損失を繰り越せる制度です。
資産管理会社の節税効果を簡単にシミュレーションしてみよう
「年間の不動産収入800万円」と仮定して、簡単にシミュレーションしてみましょう。
【資産管理会社を利用しない場合】
-
(800万円-63万6,000円)×23%=169万3,720円
【資産管理会社を利用した場合】
-
年間所得が800万円以下の中小法人は法人税率が15%なので:800万円×15%=120万円
-
ここに「法人税額×4.4%」を加算:120万円×4.4%=5万2,800円
-
この2つを足すと120万円+5万2,800円=125万2,800円
169万3,720円-125万2,800円=44万920円
年間約44万円の節税となります。
資産管理会社は今後ますます増えてくる
節税や相続対策という資産防衛を実現する方法として、今後も資産管理会社は増えていくことでしょう。
ここに注意!資産管理会社設立のコスト
資産管理会社設立にいくらかかるのか?
-
登記の際の登録免許税:約15万円(資本金額×0.7%)
-
定款の認証手数料:5万円
-
定款の謄本手数料:約2,000円
-
定款に貼る収入印紙代:4万円(電子定款の場合は不要)
資産管理会社のランニングコストについて
税金面で必ず必要になる税金が「法人税」です。
赤字のときも「法人住民税の均等割で7万円」が課税されます。
資産管理会社の4つのメリット
個人の税率のメリットについて
-
所得金額1,800万円超え4,000万円以下で40%(控除金額は279万6,000円)
-
所得金額4,000万円を超えで45%(控除金額は479万6,000円)
法人の税率のメリットについて
資本金1億円以下の中小法人の場合、課税所得金額800万円以下の部分については19%で、800万円を超えた部分は23.4%です。
さらに軽減税率の特例(19%→15%)が適用されます。
税率という点で見れば、最高税率が個人では45%であるのに対し、法人は23.4%ですので、法人にした方が節税メリットがあります。
役員報酬が控除対象になるメリットについて
役員報酬は税務上損金として認められるので、オーナーに入る給与分を収益から減額することができます。
個人にはない法人契約の生命保険に加入できる
法人契約の生命保険に加入すれば、掛金の全額、または一部を損益として計上できます。
資産管理会社の3つのデメリット
法人の設立維持費用がかかってしまう
比較的コストの安い合同会社や一般社団法人でも、設立時だけでなく毎年一定の費用(地方税の均等割等)がかかります。
会社保険料の事業主負担がかかってしまう
役員報酬を支払う場合、原則的に法人は社会保険料を半額負担しなければならなりません。
経理事務の負担が増えてしまう
毎年法人税の申告をする必要があるので、日常的な記帳や決算期の決算書作成などの経理事務が必要です。
資産管理会社を利用する3つの形態
設立した法人名義で物件を取得する事ができる
損金計上できる減価償却の枠内であれば、任意で計上できます。
もし赤字にしたくなければ、減価償却の額を調整して収支をプラマイゼロにすることも可能です。
設立した法人とサブリース契約を結ぶ事ができる
資産管理会社とのサブリース契約であれば、法人と個人に賃料収入が分散できます。
設立した法人を管理会社にする事ができる
管理全般の業務を委託することにより、個人の不動産収益の一部を法人へ移転させることができます。
相続が多い富裕層は資産管理会社を利用する
相続が富裕層を拡大している
相続の大量発生によって富裕層が増えているのは2009年からです。
日本全国の相続資産は概算で50兆円にも及ぶといわれており、この傾向はこれから5年、10年とさらに加速していくでしょう。
相続税のルールが大改正された
2015年から相続税の基礎控除額が大幅に引き下げられ、相続税・贈与税の最高税率も引き上げられています。
富裕層が資産管理会社を利用するメリット
事業会社株式の分散防止になる
資産管理会社に企業オーナー一族の保有株式を集約すれば、分散防止に繋がり経営の安定になります。
配当や株式評価に対する節税効果がある
資産管理会社が事業会社から受け取る配当金の課税は、100%または50%の「益金不参入」扱いになるため法人税が減ります。
オーナーの家族への所得分散をしてくれる
資産管理会社から企業オーナーの家族に給与を支給することで、相続や贈与ではない形で所得を分散でき、相続税の支払資金を確保できます。
個人投資家が資産管理会社を設立するとどうなるの?
メリットはどんな事があるのか?
個人投資家が資産管理会社を設立するメリットは6つです。
-
損益通算できる
-
最大7年間損失の繰越ができる
-
FX法人口座におけるレバレッジ規制
-
節税メリットが大きい
-
株主優待の2重取りができる
-
個人口座と法人口座を別で開設できる
デメリットはどんな事があるの?
個人投資家が資産管理会社を設立するデメリットは3つです。
-
利益が出た時の税率が高い
-
費用負担が増える
-
FXの評価益が課税対象になる
法人設立の流れについて
合同会社の設立について
株式会社、合同会社、合名会社、合資会社の4種類がありますが、資産管理会社の設立を考えるならば合同会社がおすすめです。
設立するには
設立するには下記の6つを決めねばなりません。
-
社名
-
事業目的
-
本店
-
事業年度
-
資本金
-
社員構成
運営について
運営については下記の5つに注意しましょう。
-
開業
-
報酬
-
損金
-
法人税
-
申告
スキームについて
資産管理会社の運営スキームにおける不動産の関与としては、主に3つの形態が考えられます。
【直接保有型】
【管理委託型】
【転貸(サブリース)型】
資産管理会社を設立するならメリット・デメリットを知っておこう!
資産管理会社を利用するメリットはたくさんあります。
しかしその陰にデメリットがあることも忘れてはいけません。
しっかりとメリットデメリット両方を把握し、上手に利用するようにしましょう。
関連する外部リンク
この記事が気に入ったらいいね!しよう
マネストの最新エントリーが見られます。
Twitterでマネストをフォローしよう! @ManeSto_comさんをフォロー