世界で税金が高い国ランキングTOP10!
日本の税金は世界で高い?低い?
給料から引かれる所得税に物を買う時にかかる消費税、持ち家があるだけでかかる固定資産税に遺産から引かれる相続税…
日本という国で生きていくには、様々な「税金」がかかります。
「なんで汗水働いた金から国に金を取られなきゃいけないんだ」
「政治家は無駄に税金を使ってばかりだ」
とにかく、こと税金に関して良いイメージをお持ちの方も少ないのではないでしょうか。
橋や道路を作るための社会整備費や医療費、働けない人々のための生活保護費など、「国を元気にするため」に必要なものとはいえ
「払わなくてもいいなら払いたくない」
と思ってしまうのは筆者だけでしょうかね。
そんな筆者は税金について何かしら考える時、いつも考えることがあります。
「他の国ではどうなんだろう」
と。
そこで今回はそんな長年の疑問を解決すべく、世界の税金が高い国TOP10を調べてみました。
果たして日本は何位なのでしょうか。
気になるその順位や、税金の高さからくる国の特徴などを併せてご覧ください。
10位:アイルランド
年収450万円以上は48%、法人税12.5%
最初にご紹介する第10位は、大西洋に浮かぶ島国、アイルランドでした。
アイルランドでは40,696米ドル以上の年収がある場合、48%の税金がかかっています。
日本円でいうと450万円ほどですので、日本の平均年収が414万円であることを考えると、その基準はほぼ同額ですね。
しかし法人税に関しては12.5%とグンと下がりますので、経営者に優しい国ということが言えます。
そのため、かの有名なアップル社がアイルランドに拠点を置いた際には大きな話題になりましたね。
ちなみに日本人から見て羨ましい事として、アイルランドでは食料品に税金がかからないというものがあります。0%なんです。
衣食住でも絶対に欠かせない「食」に税金がかからないのは素敵なことですよね。
【一言まとめ】アイルランドは経営者に優しい国
9位:フィンランド
年収967万円以上は49.2%
お次の第9位は北ヨーロッパの国、フィンランドです。
フィンランドの平均年収は31,000米ドルなのですが、49.2%もの税金がかかるのは87,222米ドル以上稼いだ人です。
日本円でいうと967万円相当ですので、「高収入者から税金を多く取る」という日本にも見習って欲しい政策ですよね。
そしてフィンランドの特徴として、教育水準がとても高いということが挙げられます。
その理由は、国民から徴収した税金を「学校の先生」に充てる割合が非常に高いのです。
「こんなとこにそんな立派な道路なんて作らなくてもいいだろ!」
なことに税金を使う日本とは大違いですね…。
【一言まとめ】フィンランドは税金を教育に使う国
8位:イギリス
年収2,600万円以上は50%
8位は世界を代表する観光地でもあるイギリスです。
イギリスでは234,484米ドル以上の年収があると、なんと半分の50%が所得税として持っていかれます。
日本円換算で2,600万円ですが、2,600万円稼いでも手元に残るのは1,300万円ということになるのです。
そう考えるとなんとも驚きの税率ですが、更に驚かされるのは「14,000米ドル以下の場合は税金がかからない」ということです。
アイルランドが経営者に優しい国だとするのなら、イギリスは低所得者に優しい国だと言えるでしょう。
そしてこの高所得者から取られた50%もの税金は、無料医療制度や高福祉国家を実現するために使われています。
高所得者だと所得税は高いのですが、その分医療費が0円なので、あまりその税率に不満も出ないそうですよ。
【一言まとめ】イギリスは医療制度や福祉に税金を注ぐ国
7位:日本
年収4,000万円以上は45%
やってきました!日本はなんと世界で7番目に高い国でした。
しかし所得税だけで見ればそうでもありません。
195万円以下 |
5% |
195万円~330万円以下 |
10% |
330万円~695万円以下 |
20% |
695万円~900万円以下 |
23% |
900万円~1,800万円以下 |
33% |
1,800万円~4,000万円以下 |
40% |
4,000万円~ |
45% |
このように日本でも収入額で所得税は変わります。
しかし冒頭でも言ったように、住民税や消費税など、所得税以外にもたくさんの「収入から引かれる税金」がありますよね。
これらを足して考えると、世界で7番目に税金が高い国となるのです。
【一言まとめ】日本は所得税以外にもかかる税金の項目が多い国
6位:オーストリア
年収826万円以上は50%、法人税は25%
6位はオーストラリアと混同されがちな国、ヨーロッパのオーストリアです。
税金が高い最も大きな要因はその人口です。
オーストリアの人口は860万人しかいないのです。
そのため、日本円で826万円以上の収入で所得税50%、法人でも25%もの税金が引かれます。
またそれ以外にも細かな分類分けにより、更に税金がかかります。
10%:食品、書籍、新聞、下水・ごみ処理、公共交通機関、不動産賃貸料、医薬品など
13%:生きている動物、植物、食品産業の廃棄物、飼料、肥料、薪、古物、美術品、キャンプ場の賃料、入場券(劇場、コンサート、美術館、映画館など)、航空券、スポーツイベントの入場料、および宿泊施設
このように、多額の税率がオーストリアの経済状況低迷を続けさせているのです。
【一言まとめ】オーストリアは国民数の少なさから高税率になり経済低迷している国
5位:ベルギー
年収475万円以上は50%
5位はまたもヨーロッパの国、ベルギーです。
ベルギーでは38,080ユーロ(日本円で475万円)以上で50%と高い税率を誇りますが、10,860ユーロ以下は非課税です。
また消費税は商品やサービスによってそれぞれ異なります。
例えば新聞や雑誌は0%です。
しかし食料品や薬、宿泊などは6%、レストランは12%、衣料品やアルコールは21%と、オーストリア同様細かい分類分けがされているのです。
しかしオーストリアと違って経済が低迷しないのは、「ヨーロッパの家」と言われるくらい住みやすい手厚い社会保障や、テロ対策や難民受け入れなどの寛容さなどに使われるためです。
税率がそう変わらなくても、どう使うかでこんなにも変わるのですね。
【一言まとめ】ベルギーは税金で社会保障に力を入れる国
4位:オランダ
年収が828万円以上は52%
4位はチューリップと風車の国、オランダです。
オランダでは1992ユーロ(日本円で828万円)までが36.55%、66,422ユーロを超えてしまうと52%の所得税がかかります。
とはいえ、低所得者には健康保険を含む各種費用が払い戻しされる仕組みがあり、こちらも低所得者に優しい国です。
ちなみに法人税は20万ユーロ未満が20%、それを超えると25%になります。
20万ユーロは大体2,500万円ほどですが、それ以上であれば3,000万円でも1億円でも同じ25%というのは、日本と大きく違う点ですね。
【一言まとめ】オランダは低所得者と稼ぐ経営者に優しい国
【3位:デンマーク】
国民平均一人当たり55.38%
とうとうTOP3です。
第3位は高福祉国家として世界でも名高いデンマークです。
こちらも人口570万という小さな国ですので、その分国民一人辺りの税率は高くなっています。
その税率は国民平均一人当たり、なんと半分以上の55.38%というのですから驚きです。
なのにデンマークは「世界で一番幸せな国民」にも選ばれているのです。
半分以上が税金で取られるのになぜ?
そう思うのですが、その理由はいくら高税金であっても、生涯的に保障された生活が約束されているからです。
世界一幸せな国民がいるデンマークは、「高税率=苦しみ」ではなく「高税率=幸せ」を実現できた理想の国と言えるでしょう。
【一言まとめ】デンマークは税金で生涯保証が約束される国
【2位:スウェーデン】
最大所得税は56.6%
世界で2番目に税金が高い国は北ヨーロッパのスウェーデンです。
こうして見るとヨーロッパは総じて高税率の国ばかりですね。
しかしスウェーデンもデンマーク同様高福祉国家です。
税率は56.6%という高い所得税ながらも、国民の満足度は非常に高いのです。
消費税も一律25%と思わず聞き返したくなるほど高いのですが、その分医療費・教育費・年金・出産費用が全て無料です。
さらに育児休暇制度を取るのが当たり前という風習があり、子供が8歳になるまで、なんと合計480日も休むことができます。
【一言まとめ】スウェーデンは税金のお陰で医療費や教育費などが無料になる国
【1位:アルバ】
最大所得税は58.95%
世界で1番税金が高い国、それは西インド諸島にあるアルバです。
「そんな国聞いたことない」
なんて方も多いかもしれませんね。
これまでヨーロッパ諸国を始めとする、様々な政策による税率について触れてきました。
しかしアルバが税率58.95%と驚異的な理由はひとつです。
国民が金持ちばかりなんです。
オランダの教育方針を取り入れた質の高いエデュケーション・システム、整備されたインフラ、各種豪華アメニティ施設が自慢の国だ。カリビアン諸国の中でも最も収入が高い人たちが生活していることでも知られている
世界一税金が高い国のアルバですが、その理由が「金持ちだから」というのはなんとも拍子抜けですね。
【一言まとめ】アルバは国民がお金持ちばかりなので税金が高い国
「税金が高いと苦しい」は間違い!?
税金が高い=国民の満足度が高いが理想では?
日本では税金が高いと「生活が苦しくなる」と考えられていますし、実際そうですよね。
しかし諸外国に目を向けてみると、「高税率=苦しみ」ではなく「高税率=幸せ」を実現できている国もありました。
世界で7番目に税金が高い日本でも、ぜひそうなって欲しいものですね。
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