リースするとどれだけ節税できる?メリットやデメリット・リスク
そもそもリースって何?
リースとは、リース会社がお客様の希望する物件を購入し、お客様に長期間賃貸する取引です。
借り主(=お客様)を特定の相手とする点で、レンタルと区別されます。
オペレーティングリースが節税になるのはなぜ?
オペレーティングリースとは?
オペレーティングリースとは、個人や法人が所有する航空機などの減価償却資産を他者に貸し付けて、賃貸料を得る賃貸借取引のことです。
オペレーティングリース節税のしくみについて
オペレーティングリースの節税の仕組みについては、下記の画像を参考にしてみましょう。
貸し手が賃貸借資産の減価償却費を計上する事ができる
オペレーティングリースでは、会計上も税務上も、貸し手が賃貸借資産の減価償却費を計上することができます。
耐用年数が短い資産を活用すれば、投資の初期では減価償却費が賃貸収入よりも大きくなり、所得が赤字になります。
投資の終盤では減価償却が終わり、未償却残高1円の資産を売却して、売却益が生じることにより、所得が黒字になります。
つまりオペレーティングリースを活用すれば、節税(課税の繰延)ができるということなのです。
投資額が賃貸料と譲渡代金で回収する事が条件になる
課税の繰延ができる条件としては、賃貸借資産の取得価額が純賃貸収入(収入ー経費)と譲渡代金で回収されることです。
オペレーティングリースの仕訳と会計処理について
オペレーティングは、「リース会社から借りているだけ」という経済実態です。
そのため会計処理としては通常の賃貸借処理と同じです。
日本型オペレーティングリースについて
日本型オペレーティングリース仕組みについて
日本型オペレーティングリースは下記のような仕組みになります。
特長やメリットについて
特徴
少ない資金で大きな償却ができること
メリット
効率的な資金運用ができること
出資にかかる手数料等について
出資日からお客様の出資時までの「経過利息相当額の販売手数料」および「組成手数料」がかかります。
ちなみに上記の手数料は出資持分の譲渡対価に含まれます。
出資にかかるリスクとは?
利回りが確定したものではなく、出資金の全額または一部を回収できない可能性があります。
航空機のオペレーティングリース3つのメリット
大きな損金算入率で節税効果が高い
航空機をリースする際には一括で資金を投入するのですが、その時に投入した金額の約80%を1年目で特別損失として損金算入できます。
さらに2年目で、残りの20%を損金算入することができます。
支払いは1回のみで良い
航空機のリースは一括で資金を投入できます。
そのため次年度以降のキャッシュを気にする必要はありません。
航空機は他のオペレーティングリース(コンテナや船舶等)に比べると安定している
オペレーティングリースによる節税は、下記の2つで有利だと言われています。
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リースでの収益確保
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リース期間満了時の物件の売却益確保
航空機のオペレーティングリース3つのデメリット
円建て商品が少ない
航空機のリースは外貨建て商品が主流です。
円建ての商品も存在はしますが10%程度です。
中途解約が困難である
航空機リースは基本的に中途解約ができません。
そのため資金に余裕がある大きめの企業のための商品となります。
元本保証がない
航空機リースは生命保険と異なります。
約束された金額が必ず返還されるという保証はありません。
航空機のオペレーティングリースのリスク
航空機リースで想定されるリスクとは
航空機リースで想定されるリスクは12個あります。
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航空会社の倒産のリスクがある
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匿名組合やリース会社の倒産リスクがある
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航空機が想定価格で売却できない可能性がある
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外貨建ての場合、円高になるリスクがある
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航空機が墜落すると益金が早期に発生するリスクがある
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航空機による損害賠償のリスクがある
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航空機を高値で販売できない権利があるリスク
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税制改正によるリスクがある
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中途解約ができないリスクある
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追加出資のリスクがある
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融資してくれた金融機関の意思が優先される場合のリスクがある
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クーリングオフができないリスクがある
リースで固定資産を調達した際の節税効果
リースの節税効果はどんなもの?
耐用年数よりも短い期間でリース契約を結べば、購入の場合よりも早くその調達資金を経費にすることができます。
リース契約の落し穴について
リース契約のポイントとして、下記の3つに注意しましょう。
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リースは最終的な支払額が多い
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リース期間は勝手に決めることができない
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リースの場合の税額控除はハードルが高い
有利不利の判定のポイントについて
リースによる場合の「利息+手数料相当額」と、割賦購入による場合の「利息+手数料相当額」とを比較し、どちらが安いか見極めることが選択のポイントです。
法人や個人事業主の車(社用車)はリースが得?
一括で車を新車で購入や中古車で購入するとどうなる?
新車は資産計上して、法定耐用年数の6年で原価償却していかなくてはなりません。
中古車は、経過年数が増えれば「経過年数×0.2」の分耐用年数が短くなります。
分割で車を購入するとどうなる?
経理上、ローンであっても車は「車両運搬具」として資産計上し原価償却していきます。
しかし、分割で支払っている金利だけは経費扱いできます。
リースを利用するとどうなる?
ユーザーはリース料を毎月一定額を払うだけですので、それを経費にするだけです。
法人や個人事業主はリースだと管理コストにメリットがある!
リースでは、定額のリース料とガソリン代を払うだけです。
そのため管理が楽で、毎年くる税金などの支払いを忘れてるなんてこともなくなります。
また定期点検、メンテナンスや車検、オイル、タイヤ、ブレーキ、など車両に関わる全てが入ったメンテナンスパックなどがあり、利用者はただ乗るだけでお手軽です。
投資対象として小型飛行機が注目されている?
世界で運行中の飛行機は約35%がリースを活用している
現在、世界で運行中の飛行機は23,000機以上ありますが、その約35%にあたる8,000機以上は航空機リースを活用しています。
ジェット機だけでなく小型飛行機もオペリーの対象になっている
オペレーティングリースの対象となる主な航空機は、以下のものです。
レバレッジドリースによる節税について
レバレッジドリースによる節税は効果があるのか?
レバレッジドリースによる節税は、下記の流れで行えば効果があります。
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匿名組合が法人から出資を募ります。
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出資金と金融機関からの借入で、匿名組合は航空機等を購入します。
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購入した航空機等を航空会社に貸し出します(リースします)。
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リース収入とリース期間終了後の売却益が、匿名組合の収益となります。
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航空機等の原価償却費、金融機関への支払利息が、匿名組合の費用(損金)となります。
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出資者は、匿名組合の損益の分配を受けます。
貸し手の会計処理について
借り手については、下記の4つの条件のひとつでも該当するリースであれば「キャピタル・リース」に該当し、どの条件にも該当しなければ「オペレーティング・リース」として分類されます。
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資産の所有権が借手に移転するリース
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割安な購入選択権があるリース
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リース期間が資産の経済的耐用年数の75%以上となるリース
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最低リース料の現在価値が資産の時価(公正価値)の90%以上となるリース
コンテナのリースの節税のメリットとデメリット
コンテナリースによる節税のメリットとは?
コンテナリースによる節税のメリットは3つです。
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大きな損金算入率(=節税効果が高い)
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支払いは1回のみ
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他のオペレーティングリースに比べると、少額の出資金で始められ、売却時の価格下落リスクが少ない
コンテナリースによる節税のデメリットとは?
コンテナリースによる節税のデメリットは3つです。
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円建て商品が少ない
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中途解約が困難
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元本保証はない
コンテナリースによるリスクについて
コンテナリースによるリスクは12個あります。
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海運会社の倒産リスク
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匿名組合・リース会社の倒産リスク
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コンテナが想定価格で売却できないリスク
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外貨建ての場合は円高のリスク
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コンテナが破損するリスク=益金が早期に発生するリスク
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コンテナによる損害賠償リスク
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コンテナを高値で販売できない権利があるリスク
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税制改正のリスク
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中途解約ができないリスク
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追加出資リスク
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融資してくれた金融機関の意思が優先されるリスク
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クーリングオフができないリスク
設備投資は購入とリースどちらがいいの?
借入して購入するか、分割払いで購入するのか、リースするのは実質的には同じ?
会計上はほとんど同じ扱いです。
購入時の勘定科目の名称が微妙に違う程度です。
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機械装置:長期借入金
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機械装置:長期未払金
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機械装置(リース資産):リース債務
支払を待ってもらう相手によって利率が違ってくる
上記のパターンで言うと、それぞれの相手によって利率は異なります。
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「1」のケースでは支払を待ってもらっている金融機関
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「2」のケースではメーカー
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「3」のケースではリース会社
利息の比較方法について
金融機関の借入金については、金融機関から提示される利率を見ればすぐにわかりますね。
リース会社については見積表で確認し、比較検討しましょう。
減価償却の差額はあまり気にしないで良い
購入して定率法で償却した場合と、7年リース定額で償却した場合の償却額は次の通りです。
特殊な条件(法人税・所得税の税額控除)がある場合は注意が必要になる
基本的には調達金利の安い手段を選定し、金融機関借入枠の制限、税制上の税額控除があれば、そちらも合わせて検討すると良いでしょう。
リースする時はメリットとデメリットを把握してから!
リースによる節税には、メリットとデメリットが存在します。
それらをしっかりと把握し、賢く節税対策に活用しましょう。
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