お賽銭の金額に意味があるのを知っていますか?
みなさんは神社やお寺にお参り、行っていますか?
「初詣のときだけ……」という方や「定期的に通っています」という方など、その間隔はさまざまだと思います。
さて、お参りに欠かせないものと言えば、お賽銭です。
賽銭箱にお金を納めて、神様や仏様に手を合わせてお祈りや願い事をする行為は、誰しも行ったことがあるのではないでしょうか。
そんなときふと気になるのが、お賽銭の金額。
基本的にはその時の懐具合や状況を見て決める方が多数かと思いますが、初詣の際にお札が入れられているのを見てしまって、ちょっと気が引けてしまったり……なんて経験、誰しも一度はあるかと思います。
いったいどのくらいの金額がちょうどいいのでしょうか?
「お賽銭」ってなんのためにあるの?
金額について考える前に、「お賽銭」は何のためにするものなのか、ということからまずは見てみましょう。
広辞苑では、このように解説されています。
- 祈願成就のお礼として神仏に奉る賽物(さいもつ)の銭。
- 神仏に参詣(さんけい)して奉る銭。
つまり「お賽銭」とは、「神様・仏様に感謝の意を伝えるためのお金」なのであって、「お願いを聞いてもらうための対価」ではないのです。
「感謝の意」というものがなければ、いくら高額なお賽銭を入れたところで効力はないと思われます。
「これだけ払うんだから、お願い聞いてよね!」という態度で投げ入れられても、むしろ神様も困りますよね。
「いつも見守っていてくれてありがとうございます。これからもよろしくおねがいします」という気持ちでお供えするのが、「お賽銭」の本来の姿と言えるのではないでしょうか。
10円は縁を遠ざける?金額で作る言葉遊びで、ご利益アップ
「10円」という文字を目にしたとき、みなさんならどう読むでしょうか。
ほとんどの人が値段を表す言葉として理解し「じゅうえん」と読むことかと思いますが、少し視点を変えて「10」だけ別の読み方をしてみましょう。
1、2、3……と数えるとき、「ひぃふぅみぃ……」と数える方法がありますよね。
これを10まで数えてみると、「ひぃ(1)・ふぅ(2)・みぃ(3)・よぉ(4)・いつ(5)・むぅ(6)・なな(7)・やぁ(8)・この(9)・とお(10)」となります。
つまり、「10」は「とお」とも読めるわけです。
この読み方で先ほどの「10円」を読んでみると、「とおえん」となりますよね。
「とおえん」という読みをする単語の1つに、「遠縁」という言葉があります。
この「遠縁」というのは本来は血縁関係の遠い親戚のことを指しますが、漢字単体で見ると「縁を遠ざける」とも解釈することができます。
そのため「10円」という金額は、お祈りした所でむしろ縁から遠ざかってしまうので縁起が悪い、と言われているのです。
このような「同音で違う意味をあらわす」ことを用いて、お賽銭の額を決める方も多いそうです。
そんな中で大活躍するのが5円玉。
「5円=ごえん=ご縁」と取れるため、縁起がいいと言われているのです。
そこで、5円玉を使ったお賽銭の額と意味をご紹介しましょう。
1枚から10枚の場合
- 1枚:ご縁がありますように
- 2枚(10円):重ね重ねご縁がありますように
- 3枚(15円):十分ご縁がありますように
- 4枚(20円):よいご縁がありますように
- 5枚(25円):二重にご縁がありますように
- 6枚(30円):安定と調和のとれたご縁がありますように
(「6」という数が入っている「六角形」には、安定と調和をもたらす意味があるそうです) - 7枚(35円):再三ご縁がありますように
- 8枚(40円):末広にご縁がありますように
(漢字の「八」は末広がりの数字であることから) - 9枚(45円):始終ご縁がありますように
- 10枚(50円):五重の縁がありますように
じょじょに枚数が増えて大変なように思えますが、基本的には合計金額で語呂合わせを作るので、実際には50円や100円と組み合わせても大丈夫だそう。
よって、50円以上であったり5円玉だけでは作れない金額のものもあります。
そのほかの語呂合わせできる金額
- 21円:割り切れない数字なので、恋愛継続・夫婦円満願に良いとされています。31円でもいいそうです。
- 55円:いつでもご縁がありますように(午後に投げるとご縁がある、とも)
- 85円:矢継ぎ早にご縁をうけられますように
- 105円:十分にご縁がありますように
- 115円:いいご縁がありますように
- 125円:十二分に御縁がありますように
- 415円:良いご縁がありますように
- 485円:四方八方からご縁がありますように
- 1万円:「1万円=円万」から、「円満に通ず」という意味
気をつけよう!良い意味にも悪い意味にもとれる金額
ただ、すべてがいい意味だけを表す、とも限りません。
これらのものは悪い意味に捉える事ができる、として避けるべきという意見もあります。
- 10円:ご縁が遠のく
- 35円:散々なご縁にあってしまう
- 65円:ろくなご縁がない
- 75円:なんのご縁もない、泣くようなご縁にあう
- 85円:やっぱりご縁がない
- 95円:これでもご縁がない、苦しいご縁にあう
- 105円:当分ご縁がない
- 500円:これ以上効果(硬貨)がない
(500円以上の硬貨は存在しないから、という理由)
ほかにも、5円玉や50円玉などの穴があいている硬貨は、「先が見通せる」という意見もあれば「穴からご縁が抜けてしまう」という意見もあります。
「身の丈にあった金額」が一番良い!
ここまでゲン担ぎのできるお賽銭の金額を紹介してきました。
「なんだ、ただのダジャレじゃん!」とも思いますが、言葉には魂が宿ると言われていますし、迷信じみていてもあながちご利益が無いわけではないのかもしれません。
ただし、お賽銭をお供えすることは「喜捨」ともいいます。
お参りをする際は額面よりも、神様・仏様に対する心からの感謝の気持ちが一番大切とも言えます。
また、どれだけ神様や仏様に感謝をし今後のことをお祈りをしても、自分ではどうしようもない願い以外は、自分自身が何がしかの行動を起こさなければ叶うことはなかなかないでしょう。
ある意味では、お参りというのは自分自身を見つめ直すことなのかもしれません。
あまりに高額な金額をいくら納めても自身が何もしなければ意味がありませんので、お賽銭の金額は自分の負担にならない程度にしておくのが賢明なのではないでしょうか。
さて、あなたはどんなことを神様・仏様に願いますか?
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