2017/10/10

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初めてでもわかる!拠出型企業年金保険ってどんな年金?

拠出型企業年金保険とは?確定拠出年金とは違うもの?詳しく解説!

企業や団体が契約をすることができる団体年金保険について

企業や団体が契約をすることができる団体年金保険の中に、拠出型企業年金保険があります。拠出型企業年金とはどのような年金制度なのでしょうか?

 

この記事では、拠出型企業年金保険のしくみやメリット・デメリットについてくわしく解説していますので、興味がある方や加入を検討している経営者の方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

拠出型企業年金保険のしくみと特徴を知りたい!

拠出型企業年金保険とは?確定拠出年金とは違うもの?詳しく解説!

拠出型企業年金保険とは?

拠出型企業年金保険とは企業や団体を契約者として、加入者の自助努力によって資産形成や老後の生活資金を準備するための団体年金保険の一種になります。保険料は、加入者である従業員が支払います

 

拠出型企業年金保険のしくみと特徴について

拠出型企業年金保険は、掛金を給与から毎月一定額ずつ天引きしながら積み立てていき、満期を迎えると積み立てした分のお金を年金払いで受け取ることができる企業年金制度になります。

 

万が一、払込期間中に加入者が死亡してしまった場合は、遺族年金もしくは一時金という形で死亡時の積み立て金が遺族に支払われます

 

また、払込期間中に脱退した場合でも、脱退一時金が受け取れるため、被保険者やその家族にとってうれしい企業年金となっています。

 

払い込み満了は何歳?

拠出型企業年金保険の掛金の払い込み満了は、原則として60歳までとなります。

 

50歳未満で加入時は個人年金保険料控除が50歳以上で加入時は生命保険料控除になる

拠出型企業年金保険に50歳未満で加入した場合個人年金保険料の控除が受けられます

50歳以上で加入した場合は、生命保険料が控除されます。

※上記の保険料の控除は旧契約扱いの場合になります。

 

運用状況によって毎年配当金が払われる

拠出型企業年金保険は、運用状況によって毎年配当金が支払われることがあります。拠出型企業年金保険の予定利率は1.25%~1.7%くらいとなっています。

 

積立中は非課税であるが満了又は脱退時に運用益部分に対して課税される

拠出型企業年金保険を積み立て中は、非課税となりますが、払い込み満了時または脱退時は運用益部分に対して課税されます

 

国の年金制度を補完する為の企業年金の代替制度である

拠出型企業年金保険は、厚生年金などの公的年金制度だけでは老後の生活が不安である方に、老後の年金受取額を数万円増やすことができる、おすすめの企業年金の代替制度と言えます。

 

自助努力型の年金保険について

拠出型企業年金保険は、被保険者である従業員自身が保険料を負担する自助努力型の年金保険です。

被保険者である従業員にとって、毎月の給与から保険料を積み立てできるので、安心して老後の生活を楽に過ごせるという大きな利点があります。

 

掛金の上限額は、国民年金の第1号被保険者(自営業者など)の場合月額68,000円国民年金の第2号被保険者(会社員など)で企業型確定拠出年金や企業年金の未加入者月額23,000円となります。

 

拠出型企業年金保険の手続きはどうするの?

拠出型企業年金保険の手続きは、自身が勤めている企業や団体に直接申し込みをしてください。企業や団体の中には、あらかじめ募集期間が決められている場合があるので注意が必要です。

 

拠出型企業年金保険の保険商品例

拠出型企業年金保険の保険商品を紹介したいと思いますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

 

 

 

 

拠出型企業年金保険はどのくらい積み立て額が増える

拠出型企業年金保険は、どのくらいの割合で積み立て金額が増えるのでしょうか?

今回は、東京商工会議所のマイライフ年金共済制度を例にして調べてみました。

 

確定年金の払込掛金累計額と受取額

積立年数

払込掛金累計額

10年間の年金総額

返戻率

10年

1,200,000円

1,238,400円

約103.2%

15年

1,800,000円

1,894,800円

約105.2%

20年

2,400,000円

2,576,400円

約107.3%

25年

3,000,000円

3,284,400円

約109.4%

30年

3,600,000円

4,020,000円

約111.6%

 

上記の表を見ると、10年間積み立てして約3.2%分増える計算となります。年0.32%の返戻率となります。

 

中途解約はできるが元本割れする場合がある?

拠出型企業年金保険は、途中で脱退(解約)すると脱退一時金を受け取ることはできますが、掛金総額より少なくなる可能性があるので注意が必要です。

 

定期預金の100倍の金利!拠出型企業年金保険のメリット

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給料天引きなので確実に積み立てる事ができる

拠出型企業年金保険の掛金は、給料から一定額が自動で天引きされるので、無理なく安定して掛金を積み立てすることができます。

 

利回りが高い?予定利率はいくら?

拠出型企業年金保険の予定利率は、1.25%~1.7%くらいになっています。他の団体年金保険と比べても高い水準となっています。

 

個人年金保険料控除を受ける事ができる

拠出型企業年金保険に加入して支払った保険料は、個人年金保険料控除の対象となります。年末調整や確定申告で申告すれば、所得税や住民税などの税金が軽減されるのでしっかり申告しましょう。

 

ただし、加入期間が短い場合は、個人年金保険料控除ではなく一般生命保険料控除の対象になる場合があります

 

途中解約できない…拠出型企業年金保険のデメリット

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事務手数料がかかってしまう

拠出型企業年金保険は、加入している保険会社や勤めている会社・団体によって金額は異なりますが、加入時に掛金の2~3%程度の事務手数料が必要になります。

 

拠出型企業年金保険に加入してから積立金が掛金を上回るまでは、途中で解約や脱退をしてしまうと元本割れを起こしてしまう場合があるので注意してください。

 

 積立金を払出しする事ができない

拠出型企業年金保険は、加入して運用が開始されると掛金の払込が終わるまでの間、積立金の払い出しができません

積立金を払い出しするには、加入している年金保険を解約して一時金を受け取るしかありません

 

拠出型企業年金保険に加入する際は、十分に検討して加入することをおすすめします。

 

早期退職や早期解約をすると損になる

拠出型企業年金保険に加入した場合、早期退職や早期解約をすると元本割れをしてしまう場合があるので損をしてしまいます。

 

例えば、公益社団法人 大阪市工業会連合会の拠出型企業年金保険に加入した場合、掛金から制度運営費や事務手数料が差し引かれているため、積立金額(脱退一時金)が掛金累計額を上回るには加入して13年目からになります。

 

拠出型企業年金保険は、若い時に加入して、長期にわたり運用した方が将来的に有利な年金保険と言えるでしょう。

 

拠出型企業年金保険と確定拠出年金(iDeCo)は違う?

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拠出型企業年金保険の加入は任意である

拠出型企業年金保険は、勤めている会社・団体を通じて任意で加入や脱退することができるのに対して、確定拠出年金強制的に加入しなければなりません

 

拠出型企業年金保険は加入者の拠出が中心である

拠出型企業年金保険は、保険料を拠出しているのは加入者(従業員など)が主体ですが、確定拠出年金企業が主体となって保険料を支払う年金制度になっています。

 

企業型確定拠出年金は途中の解約ができない

拠出型企業年金保険は、自由に加入や解約をすることができますが、企業型確定拠出年金は一度加入すると、原則として60歳までは解約することができません

 

ただし、企業型確定拠出年金でも資産額が15,000円以下の場合や、退職後に別の確定拠出年金に入れないなどの条件に当てはまる場合は、満期を迎える前に退職をした場合でも一時金を受け取ることができます

 

税制面で有利なのは企業型確定拠出年金である

企業型確定拠出年金保険料は、非課税となるので税金がかかりません。拠出型企業年金保険保険料は、一般生命保険料控除の対象になるので、最大で所得税が40,000円住民税が28,000円控除されます。

 

拠出型企業年金保険は、加入年数が10年以上などの条件を満たせば個人年金保険料控除の対象になり、合わせて最大で所得税が80,000円、住民税が56,000円控除されます。

 

拠出型企業年金と個人型iDeCoの違いは?

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拠出型企業年金と個人型確定拠出年金の違いは?

拠出型企業年金保険とは、企業や団体が保険会社と契約して、保険料は加入者である従業員が拠出する年金制度になります。

 

拠出型企業年金保険は、自助努力型にはなりますが、個人で運用する年金ではなく、企業や団体が契約している保険会社の予定利率で運用されるので将来の年金受給額は確定されています。拠出型企業年金保険は、確定給付型の年金となります。

 

個人型確定拠出年金(iDeCo)は、私的年金の一つになります。税制優遇を受けながら自分で運用していく自立型の年金となります。

 

拠出型企業年金保険の代表「ニッセイのハッピーライフ」

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日本生命のハッピーライフについて

拠出型企業年金保険を取り扱っている日本生命のハッピーライフについて、概要を紹介したいと思います。

 

加入資格

加入日現在正常に勤務しており、掛金払込期間満了日までの期間が3年以上ある社団法人情報通信設備協会の会員事業所の役員・従業員および事務局職員の方

ただし、個人年金保険料控除を受けるためには、掛金払込満了日までの期間が10年以上あることが必要です。

 

掛金

  • 月払い:1口あたり1,000円とし、最低3口以上最高200口まで加入できます。
  • 半年払い:1口あたり10,000円とし、最低1口以上最高50口まで加入できます。
  • 追加加入時一時払い:1口あたり10,000円とし、最低10口以上最高1,000口まで加入できます。
  • 掛金払込期間満了時一時払い:1口あたり10,000円とし、最低10口以上最高1,000口までとなります。

 

掛金払込期間満了後の給付内容

次の種類の年金を加入者は受け取れます。

  • 15年保証期間付終身年金

 

保証期間中

15年間、加入者は年金を受け取ることができます。

ただし、加入者が保証期間中に死亡された場合は、ご遺族に残存保証期間の年金を受け取ってもらうか、年金にかえて残存保証期間に対応する年金原資を受け取ることができます。

 

保証期間経過後

保証期間経過後は加入者が生存している限り年金を受け取ることができます

 

保証期間中に一時金での受け取りを希望した場合

保証期間中の一時金での受け取りは、残存保証期間に対応する年金原資を受け取ることができます

 

掛金払込期間中の給付内容

【脱退したとき】

脱退時点の積立金額を脱退一時金として加入者が受け取ることができます

 

【死亡したとき】

死亡時点の積立金額に月払掛金の1倍、半年払掛金の1倍に相当する金額を加算(死亡加算)した金額を遺族一時金としてご遺族が受け取ることができます

 

受取人

年金、掛金払込期間満了時一時金、および脱退一時金の受取人は、加入者本人となります。

 

遺族一時金の受取人は、ご遺族となります。

 

拠出型企業年金のメリットとデメリットが理解できたら加入してみよう!

拠出型企業年金保険とは?確定拠出年金とは違うもの?詳しく解説!

拠出型企業年金保険は、国民年金や厚生年金などの公的年金だけでは老後の生活が不安な方に加入をおすすめする企業年金制度となります。

 

企業型拠出年金保険は、給料から自動的に保険料が天引きされるので確実に積み立てができます。また、支払った保険料は個人年金保険料控除など税金を軽減するメリットがあります。

 

拠出型企業年金保険は、加入時に事務手数料が必要であり、途中で解約などしてしまうと元本割れになってしまう恐れがあるなどのデメリットもあります。

 

拠出型企業年金保険への加入を検討している方は、メリット・デメリットを考慮した上で加入するのか検討してみてください。

 

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