2020/07/31

使う

623views

所得税はどうやって計算する?所得税の仕組みや計算方法について解説!

みなさんの収入から納める「所得税」ですが、どのように計算されて納めているかご存じでしょうか?

あまりよく分かっていない方も多いと思います。

そこで、今回は所得税の仕組みと計算方法について分かりやすく解説します。

特に確定申告をする方が理解しやすいように、所得税の計算方法を丁寧に解説しています!

所得税とは?

所得税とは、個人の収入にかかる税金のことです。所得税は、1年間のすべての所得から所得控除を差し引いた残りの課税所得に対して、税率を掛けて計算します

また、2013年以降の所得税には、東日本大震災の被害復興を目的として「復興特別所得税」が導入されています。

2013年1月1日~2037年12月31日で個人の所得にかかる源泉所得税と合わせて、源泉徴収義務者(人を雇っている会社や個人など)が復興特別所得税を徴収することになっています。この場合、各年の基準所得税額に2.1%を掛けて復興特別所得税を納めます。

所得税の納税義務者は誰?

所得税の納税義務者は、原則として個人です。納税義務者は「居住者」「非居住者」「内国法人」「外国法人」の4区分に分けられます。4つのグループでそれぞれ課税所得の範囲や納税の方法が異なります。

主な所得税の納税義務者は「会社員」「個人事業主」「会社経営者」です。会社員の給料や経営者の役員報酬、個人事業主の事業所得などが所得税の対象になっています。

所得税の申告と納付の方法

所得税は1年間の所得に対して支払う税金です。基本的に、1月1日~12月31日までの収入をもとに計算されます。所得税の申告や納付方法は、会社員や個人事業主によって異なります。

確定申告で納付する

確定申告が必要な方は、主に個人事業主の方になります。

確定申告では、毎年1月1日~12月31日までの1年間までの所得と、所得に対する所得税を計算し、国へ申請します。その後、確定申告の計算で所得税の納付が必要な場合は、税金を納付します。逆に、払いすぎた所得税が還付されることもあります。

確定申告の期間は、翌年2月16日~3月15日です。「e-Tax(電子申告)」を使えば、翌年の1月1日から確定申告できます。

会社員は源泉徴収される

会社が従業員の給料から所得税を天引きし、代わりに国へ納付します。これを「源泉徴収」と言います。会社が代理で所得税を納めてくれるため、基本的に会社員の確定申告は不要です

ただし、会社員の方でも「年収が2,000万円を超える」「副業の年間所得が20万円を超える」などの条件を満たせば、確定申告が必要になります。また、会社員の方が確定申告すると、還付を受けられる場合もあります。

所得税はどうやって計算する?

ここからは所得税の計算方法について解説していきます。

所得税は以下の図の流れで計算します。

(画像引用:所得税の基本的な仕組み : 財務省

所得税の計算方法は複雑ですので、順番通りに丁寧に説明していきます。

①「所得金額」を計算

まずは1年間の所得金額を計算します。基本的に、1月1日~12月31日までの個人に対する所得から、必要経費を差し引いて計算します。

個人の所得は、以下の10種類に分けられます。

<個人の所得の種類>

所得の種類

内容

給与所得

勤務先から受け取る給与や賞与などの所得

事業所得

事業をしている人が事業から得た所得

利子所得

預貯金及び公社債の利子などの所得

不動産所得

土地や建物の貸付などによる所得

配当所得

株主や出資者が法人から受ける配当金や剰余金などの所得

退職所得

勤務先より受け取る退職手当、退職に起因して受け取る一時金などの所得

山林所得

山林を伐採して譲渡したり、立木のまま譲渡することで得た所得

譲渡所得

土地、建物、株式などの資産譲渡で得た所得

一時所得

競馬や競輪の払戻金、生命保険の一時金などの所得

雑所得

他の9種類の所得に当てはまらない所得

これらの個人の所得は、一律にすべて合算して所得金額を求めるのではありません。「総合課税」と「申告分離課税」に分けられ、それぞれの所得税額を計算します。

A.総合課税制度で所得金額を計算する

総合課税制度とは、各種の所得を合計して所得税額を計算するものです。

総合課税制度に該当する所得は以下の通りです。

<総合課税制度に該当する所得>

①利子所得

②配当所得

③不動産所得

④事業所得

⑤給与所得

⑥譲渡所得

⑦一時所得

⑧雑所得

これらの所得を合計して、「総合課税」の所得金額を計算します。

B.申告分離課税制度で所得金額を計算する

一般的に個人の所得は「総合課税制度」で計算しますが、一定の所得のみ別で所得金額を計算し、確定申告で所得税を納付します。これが「申告分離課税制度」です

申告分離課税制度に該当する所得は以下の通りです。

<申告分離課税制度に該当する所得>

①山林所得

②退職所得控除

③土地及び建物の譲渡による譲渡所得

④株式などの譲渡所得

⑤一定の先物取引による雑所得

など

これらの所得は、総合課税とは別にそれぞれの所得で所得金額を合計します。

②所得金額から所得控除を引いて「課税所得」を求める

「総合課税」と「分離課税」のそれぞれの所得金額から、所得控除額を差し引いて「課税所得」を計算します

<課税所得の計算方法>

課税所得=所得金額-所得控除

所得控除は、各納税者の事情を鑑みて税負担を軽くするための制度です。

所得控除の一例は以下の通りです。

<所得控除の一例>

所得控除

内容

基礎控除

全員が一律に受けられる控除

扶養控除

扶養者がいる場合に受けられる控除

医療費控除

医療費が一定額を超えたときに受けられる控除

社会保険料控除

国民年金や健康保険などの社会保険料を支払ったときに受けられる控除

生命保険料控除

生命保険料・介護医療保険料・個人年金保険料を支払ったときに受けられる控除

寄付金控除

国や地方公共団体などに「特定寄付金」を寄付したときに受けられる控除。ふるさと納税はこちらに該当

このように、納税者の保険や寄付などの支出に応じて所得金額を減らすことで、最終的に所得税を減らすことができます。

③課税所得に税率を掛けて「所得税額」を求める

課税所得を計算した後は、課税所得に税率を掛けて「所得税額」を計算します。

<所得税額の計算方法>

所得税額=課税所得×税率

所得税額を求めるための税率ですが、こちらも「総合課税」か「申告分離課税」で税率が異なります。総合課税と申告分離課税のそれぞれの税率を適用し、合算することで「所得税額」を求められます。

<所得税額の計算方法>

所得税額=総合課税の所得税額+分離課税の所得税額

A.総合課税の税率

総合課税制度で計算された所得税額には、超過累進税率が適用されます超過累進税率では、課税所得が多い区分ほど税率が高くなります

以下の速算表を用いると簡単に所得税額を求めることができます。

<速算表を用いた所得税額の求め方>

所得税額=課税所得×税率-控除額

<所得税の速算表>

所得金額

税率

控除額

195万円以下

   5%

0円

195万円超え 330万円以下

   10%

97,500円

330万円超え 695万円以下

   20%

427,500円

695万円超え 900万円以下

          23%

636,000円

900万円超え 1,800万円以下

   33%

1,536,000円

1,800万円超え 4,000万円以下

   40%

2,796,000円

4,000万超

45%

4,796,000円

例えば、課税所得が300万円と800万円の時で、所得税は以下のようになります。

<課税所得300万円と800万円の所得税額>

◎課税所得が300万円の所得税額

300万円×10%-97,500円=203,500円

◎課税所得が800万円の所得税額

800万円×23%-636,000円=1,204,000円

このように、超過累進課税率では、課税所得によって所得税額が大きく変わります。課税所得が少ないと所得税額も少ないですが、課税所得が多くなるほど所得税額も多くなります。

B.分離課税の税率

分離課税の税率は、総合課税とは異なり、所得ごとに税率が決まっています

例えば、「土地や建物の譲渡による譲渡所得」の税率は以下のように決まっています。

<土地や建物の譲渡による譲渡職の税率>

①長期譲渡所得※1

 →課税長期譲渡所得金額×15%

②短期譲渡所得※2

 →課税短期譲渡所得金額×30%

※1 長期譲渡所得…譲渡した年の1月1日時点で、所有期間が5年を超えている土地や建物

※2 短期譲渡所得…譲渡した年の1月1日時点で、所有期間が5年以下の土地や建物

他にも、分離課税の課税所得は、それぞれ決められた税率を掛けて所得税額を求めます。

④税額控除を引いて「基準所得税額」を求める

所得税額が求められましたが、ここからさらに控除できるものがあります。それが「税額控除」です。所得税額から税額控除を差し引いたものが「基準所得税額」です

<基準所得税額の計算方法>

基準所得税額=所得税額-税額控除

税額控除の一例は以下の通りです。

<税額控除の一例>

税額控除

内容

住宅借入金等特別控除

(住宅ローン控除)

住宅ローンなどを利用してマイホームの新築や増改築を行ったときに受けられる控除

配当控除

総合課税の配当所得があるときに、原則、配当所得の金額の10%または5%の相当額を控除する

外国税額控除

所得の中に外国で所得税として課税されている場合、一定額が控除される

税額控除は所得控除とは違い、所得税額から直接差し引くことができます。そのため、税額控除の方が節税効果が大きくなります

基準所得税額を求めた後は、復興特別所得税や源泉徴収税を加味して、ようやく申告納付税額が決まり、納付する流れになります。

所得税まとめ

所得税の仕組みや計算方法について解説しました。

所得税の仕組みは複雑ですが、私たちが汗水流して働いた収入から引かれるものです。個人事業主に限らず、サラリーマンの方も所得税を知っておいて損はないでしょう。

この記事が気に入ったらいいね!しよう

マネストの最新エントリーが見られます。

Twitterでマネストをフォローしよう!

関連記事

関連記事はまだありません。

「使う」ランキング

人気記事総合ランキング

Tweet by @ManeSto_com