2016/01/13

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こんなにも種類豊富なんて!所得全10種類を完全解説

知っていますか?所得の種類によって税の負担に差があることを。

所得 画像

税金の計算をするときに決まって登場する「所得」という言葉。


所得とは収入から必要経費や所得控除額を差し引いた額のことを言います。

税額がこの所得額によって割り出られていることを知っている人は多いと思います。


しかし、一口に「所得」といっても実に10種類もあることをみなさんはご存じでしょうか。


所得の中には、実際に働いて得るものもあれば、働かずして得るものもあり、すべて同じように税金をかけては不公平感が出てしまいます。


なので、各所得の性質に合わせた計算方法がとられています。

そのため、比較的負担が少ない所得もあれば、多い所得もあるのです。

まずはじめに......ちょっと特殊な「分離課税」所得3種類

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他の所得と区別して、独自の税率をかけて税額を計算するものを「分離課税」といいます。

1. 退職所得

勤務先の退職時に受ける退職金などが該当します。

年金払いで受け取る場合は雑所得となるので注意が必要です。


通常、支払い時に会社が所得税を差し引くため、確定申告の必要はありませんが、「退職所得の受給に関する申告書」の提出が必要です。

所得の計算式

(収入金額-退職所得控除額)×1/2

2. 山林所得

山林の立木を売却して得た所得が該当します。


長時間かけて実現するという特殊な性格の所得なので、負担軽減措置がとられています。


保有期間が5年以下の伐採や譲渡は事業所得または雑所得、山ごと売却した場合は京都所得になります。

所得の計算式

総収入金額-必要経費-特別控除額(最高50万円)

3. 譲渡所得(土地・建物・株式などの売却によるもの)

土地・建物や株式などの資産を売却して得た所得が該当します。


譲渡所得には、総合課税(後述)と分離課税のものがあります。

不動産や株の売却をした場合は分離課税として扱います。

また、譲渡が継続的に行われる場合は、事業所得または雑所得として扱います。

所得の計算式

総収入金額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額

その他源泉分離課税となるもの

預貯金の利子や株式等の配当金など、ほかの所得とは分離して、所得の支払時に源泉徴収されるものが、分離課税に該当します。

ノーマルな「総合課税」の所得8種類

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通常、各所得はそれぞれ算出した所得金額を合算して税額を計算します。

これを「総合課税」といいます。

1. 利子所得

預貯金、債券などの利子や公社債投資信託の分配金などが該当します。


原則として、支払い時に20%(所得税15%、住民税5%)の源泉徴収が行われるので、税務署などへの申告は不要です。

なお、障害者等のマル優や財形貯蓄制度は、一定額の利子まで非課税となるので確認が必要です。

所得の計算式

収入金額=利子所得

2. 配当所得

株式の配当金、株式投資信託、不動産投資信託などの分配金などが該当します。


配当金の支払い時に20%(所得税15%、住民税5%)の源泉徴収が行われます。

確定申告では総合課税か上場株式等の売買で損失が出た場合に、その損失と配当金の額を損益通算できる申告分離課税のどちらかを選べます。

上場株式等の場合は、確定申告不要制度もあります。

所得の計算式

収入金額-その株式などを取得するために借り入れた資金の利子

3. 不動産所得

土地・建物の賃貸などで得た所得が該当します。


貸間、アパートなどが10室以上、独立家屋なら5棟以上の場合は、青色申告により、65万円の特別控除の適用を受けられます。(小規模は10万円)

また、月極駐車場は不動産所得ですが、時間貸し駐車場は、事業所得または雑所得になります。

所得の計算式

総収入金額-必要経費

4. 事業所得

商工業、サービス業、農業などの事業によって得た所得が該当します。


管轄の税務署に「青色申告承認申請書」を提出して青色申告業者になると、特別控除などのメリットを受けることができます。


青色申告について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

【個人事業主必見】青色申告のメリットを一挙大公開!

所得の計算式

総収入金額-必要経費

5. 給与所得

サラリーマンやアルバイトの給料、ボーナスなどが該当します。


給与所得では、原則として必要経費が認められていません。

その代わりに給与所得控除を差し引くことができます。

しかし、特定支出控除の要件に当てはまる場合には、その分を差し引くことができます。


給与所得控除額、特定支出控除の要件について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

【納税者必見】余計に税金払っていない?所得控除一覧!


通常、毎月の源泉徴収と、年に一度の年末調整で課税は終了します。

所得の計算式

収入金額-給与所得控除額

6. 譲渡所得(土地・建物・株式などの売却によるもの以外のもの)

譲渡所得には、総合課税と分離課税(先述)のものがあります。

不動産や株の売却意外のものを売却した場合は総合課税といて扱います。

また、譲渡が継続的に行われる場合は、事業所得または雑所得として扱います。

所得の計算式

総収入金額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額

7. 一時所得

懸賞金や満期保険金、競馬などの払戻金など、これまであげたいずれにも該当しない所得で、継続性がなく、労働の対価や何かを売却して得た所得ではないものが該当します。


課税されるのは所得金額の2分の1の金額です。

また、一時所得によって生じた損失は、損益通算できません。

所得の計算式

総収入金額-必要経費-特別控除額(最高50万円)

8. 雑所得

年金や恩給、貸付金の利子、原稿料や印税、FXや先物取引の収入など、他すべての所得に該当しないものを雑所得として扱います。


公的年金の計算方法のみ異なるので注意が必要です。

公的年金にかかる税金には特別な控除が認められています。


公的年金の所得について詳しく知りたい方はことらをご覧ください。

【総まとめ】知っておきたい!年金にも税金がかかるという事実

所得の計算式

公的年金

収入金額-公的年金等控除額

公的年金以外

総収入金額-必要経費


所得は多種多様。税額の計算方法も多種多様。

計算 画像​​​​​​​

私たちは「収入」というと、どうしても「給料」や「報酬」といった労働の対価を思い浮かべてしまいがちです。


しかし、お金を手に入れる手段は意外に多くあるものです。

そして、その手段によって所得の種類も分けられ、計算方式も異なります。


今は社会的情勢も相まって「節税」というワードがより身近なものになってきました。

しかし、自分の所得がどの所得に分類されるのかを把握しないと、税額の計算もできません。

ひいては、効果的な節税ができるとは考えにくいと言えます。


節税への第一歩として「所得の把握」からはじめてみませんか。



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