2017/09/14

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確定拠出年金vs確定給付年金|将来決まった額が貰えるのはどっち?

「確定拠出」と「確定給付」…よく似てるけど、何が違うの?

確定拠出 確定給付 年金

 

「日本版401k」というキーワードを聞いたことがあるでしょうか?
これはアメリカに遅れる形で2001年に日本でも導入を開始した、年金制度のことです。

 

日本では終身雇用制度が崩壊し、少子高齢化が叫ばれています。
今現在、年金を受け取っている世代は妥協しながらも、その支給額には満足しているはずです。
不満しかないのであれば、デモや訴訟事件が相次いで起こっているでしょうからね。

 

しかし20年後や30年後に公的年金が支給される世代は、満足できる額が支給されるのでしょうか。
もしかしたら普通の生活すら危うい現実が待ち受けているかもしれません。
そこで日本版401k、つまり確定拠出年金が導入開始と同時に世間を大きく賑わせたのです。

 

ところが日本では「確定給付年金」と呼ばれる、似たような制度も存在しています。
人生は1度きり、将来受け取れる年金額を増やすも減らすも、貴方次第なのです。
あの時にこうしていれば・・・と後悔しないためにも、確定拠出年金と確定給付年金のどちらを選択すべきなのか、基本的な事から学んでいきましょう。

ポイント1:掛け金の運用をするのは「個人or企業」?

まず確定拠出年金と確定給付年金の仕組みを理解するためには、根本的な違いをハッキリさせておく必要があります。

 

確定拠出年金は自己責任?

確定拠出年金は個人が自己責任のもとで運用を行います。
特徴は掛金(拠出額)を予め決めることです。

 

誰からも指図を受けないため、様々な運用方法を組み合わせることが可能です。
積み立てた額以上の給付を受けられる可能性がある反面、元本を割ってしまう可能性も考えられます。
また個人で年金口座を持ちますので、お金の動きを含めた残高の把握が可能です。

 

確定給付年金は他人任せ?

確定給付年金は企業が年金を運用する方法です。
確定拠出年金とは違い、給付額を予め決定した上で掛金を算出していきます。
一連の作業を全て任せてしまうため、個人では何もする必要がありません。

ただし年金資産の残高を把握できないというデメリットがあることを忘れてはいけません。

 

そして企業が年金の運用を行ったからといって、必ずしも上手くいくとは限らないのです。
しかし運用が失敗に終わったとしても、企業が補填してくれます。

ポイント2:掛け金は「固定or変動」?

確定拠出年金の掛け金

掛け金つまり積立金は固定です。
確定拠出年金は「拠出が確定」しているわけですから、その名称からも分かるでしょう。
また企業が掛け金を出さなければいけません。

 

確定給付年金の掛け金

掛け金は変動します。
変動する額は算出方法が決まっていますので、年金規定の掛金欄を読めば何を基準にして計算されるのかが分かるでしょう。
一般的には給付比例と呼ばれる勤続年数に応じた計算方法、またはポイント制と呼ばれる勤続年数及び職能ポイントから算出されます。
確定拠出年金とは違い、個人が支払う場合もあります

ポイント3:確定拠出年金は転職先で続けられる!

転職後の確定拠出年金について

転職先に同じ制度があれば継続することが出来ます。

また転職先に同制度がなかったとしても、個人型の確定拠出年金へ切り替えて加入することは可能です。
ただし他の企業年金が存在している場合には、個人型確定拠出年金に加入することは出来ず、国民年金基金連合会に年金資産を移し運用することとなります。
転職先の企業が用意している年金制度にどのような種類があるのかによって、転職後の加入状況は変わりますので、事前に確認しておくと良いでしょう。

 

転職後の確定給付年金について

転職する度リセットされてしまいます。
転職先の確定拠出年金へ脱退一時金を移管することは可能です。
確定給付年金は現在勤務している企業勤務者である個人が契約を結ぶ年金システムのため、離職後は契約が解除されます。

ポイント4:将来の決まった額がもらえるのが「確定給付年金」

確定拠出年金の給付について

給付は変動します。
確定拠出年金は加入者が年金資産を運用するシステムですので、給付額は確定していません。
運用が上手くいけば積立金以上の額を得られますし、運用に失敗すれば給付額が減ってしまう可能性もあるのです。
また「失敗(リスク)」の扱いも自己責任となるため、企業は助けてくれません。
年金という名の投資とお考えいただければ良いでしょう。

 

確定給付年金の給付について

給付が確定している年金だから確定給付年金なのです。
よって将来受け取る給付額は変わりません。
同システムへ加入している場合には加入者が運用リスクを負うことはありませんので、運用に失敗したとしても企業が補填をし年金は給付されます。

リスクとリターンを考えて、将来のための資産形成を!

将来のことを考えれば、どちらかの年金には加入しておいた方が良いでしょう。

 

確定拠出年金は転職時に年金資産の持ち運びができ、運用結果によっては多額の給付が狙える魅力があります。
しかし退職時の給付額が確定しておらず、運用リスクを自己責任にて負わなければいけません。

 

確定給付年金は将来受け取る給付額が決まっていますので、老後のスケジュールが決めやすいといったメリットが挙げられます。
デメリットは企業側に一任してしまうため、残高が不明瞭な上に運用先を加入者が決められず、転職時に制限があるという点です。

 

各々には有利・不利な一面があります。
不確定な将来に対するリスクを軽減するために、株式投資や投資信託、個人向け国債などの金融商品を年金とは別に、個人資産で運用される人もいらっしゃいます。

年金を受け取る時にならなければ、何が正解であったのかは分かりませんが、商品知識を高めご自分でも対策を講じておくことは大切です。

 

まずは現在勤務している会社の年金制度を調べてみてはどうでしょうか?

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