2017/12/25

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タックスヘイブンの仕組みや問題点、ケイマン諸島の税率について詳しく解説

タックスヘイブンの仕組みはどんなもの?ケイマン諸島でのタックスヘイブンの実態を解説!

タックスヘイブンの仕組みや問題点、ケイマン諸島の税率について詳しく解説

タックスヘイブンを説明する際に、必ずといっていいほど出てくる地名をご存知でしょうか。

それが西インド諸島を形成する島でありながらも、イギリスの統治下にあるケイマン諸島です。

 

264 km²しかない小さなこの島がタックスヘイブン先として人気の理由、それがケイマン諸島独自の税制です。

今回はケイマン諸島が法人企業に利用される税制の詳細や、タックスヘイブン先として利用されているケイマン諸島の現状などについて、詳しくご紹介していきましょう。

 

タックスヘイブンケイマン諸島について

タックスヘイブンの仕組みや問題点、ケイマン諸島の税率について詳しく解説

日本はアメリカの次にケイマン諸島へ投資している?

日本にはあまり名誉ではない称号があります。

それが「タックスヘイブン利用による税逃れをしている国」というもので、この額がアメリカに次ぐ世界第二位に位置しているのです。

 

東証に上場している上位50社のうち、タックスヘイブンを利用している会社は45社にものぼり、ケイマン諸島を活用しているその額だけでも、55兆円にもなるのです。

 

ちなみに3位にはイギリスの23兆円、4位にフランスの20兆円、5位にドイツの17兆円と続きますので、日本の55兆円という数字が如何に大きいかおわかり頂けるでしょう。

それだけ日本企業は、タックスヘイブンでケイマン諸島を利用しているのです。

 

日本はケイマン諸島だけで消費税7%の税金を取り損ねている

日本銀行が公表している国際収支統計というものがあります。

このデータによりますと、日本企業がケイマン諸島を利用した分だけで約14兆円に上るとされています。

 

消費税1%分の税収が約2兆円とされていますので、ケイマン諸島だけで7%分も取り損ねている計算です。

小さな島だけで7%という数字は驚異的なものですが、もちろんタックスヘイブンで利用される国や地域は他にもあります

下記の画像を見てみましょう。

 

タックスヘイブンの仕組みや問題点、ケイマン諸島の税率について詳しく解説

参照元:editor

 

この画像は、世界中にあるタックスヘイブン国やその地域を表したものです。

日本企業がこの中のどれだけの地域を利用しているのかは把握されていませんが、それでもケイマン諸島以外にもあることは確実でしょう。

つまりそれら全てを合わせると、消費税を取り損ねている額は更に大きくなるのです。

 

確かにこれらの消費税がきちんと納税されるのであれば、国益が増すことで日本の経済状況は向上し、私たちの生活も少し楽になるかもしれません。

タックスヘイブンそのものは合法ではありますが、「タックスヘイブンは国益を失う悪である」と考える国の気持ちもわかる気がしますね。

 

ケイマン諸島に6万社が登記している

ケイマン諸島は冒頭で述べたようにイギリス領の小さな島です。

「なぜタックスヘイブン先としてケイマン諸島が選ばれるのか」これを知るためには、佐渡島の1/3ほどしかないこの島の税制に注目してみましょう。

 

ケイマン諸島の税制は、数多くのものが非課税となっています。

 

  • ・所得

  • ・利益

  • ・財産

  • ・キャピタルゲイン

  • ・売り上げ

  • ・遺産相続

 

これら全てが非課税です。

つまり税率が低いのは法人税だけではなく、生活に関わるほとんどの税金がかからない国なのです。

 

会社を設立するとなれば、法人税以外にもかかる税金はたくさんあります。

しかしケイマン諸島であれば、所得税や利益税などの税金が一切かからないため、会社を設立することも、またその会社を継続していくにも都合の良い税制となっているのです。

 

このことを証明するかのように、小さな島であるケイマン諸島には、法人会社が6万社も登記されています。

佐渡島の1/3の面積に6万社もの会社が登記されているこの現実こそが、ケイマン諸島の税制が企業にとって有利なものであることの証明になるでしょう。

 

また法人企業以外にも、銀行が600行以上、1万以上のファンドが登記されています。

キャピタルゲインや相続税も非課税のケイマン諸島では、法人企業以外にも、投資家や資産家にとっても恩恵の大きな島なのです。

 

ケイマン諸島の5階建てのビルに1万8,000社が登記している

「佐渡島の1/3の面積に6万社」これも驚くべき数字でしたが、他にもこんな面白い数字があります。

ひとつのビルに18,000社もの会社登記があるというのです。

 

そのビルはケイマン諸島の首都、ジョージタウンにあります。

そのビルの名前はウグランド・ハウスです。

「18,000社も入っているのならばさぞかし超高層ビルなのだろう」と考えてしまいますが、なんとこのビルはたったの5階建てという、さほど大きくもないビルなのです。

 

その5階建てのビルに18,000社もの会社登記がある、これは物理的に考えても不可能な数字です。

では何故そんな現象が起きているのでしょうか。

 

それは18,000社のほとんどがペーパーカンパニーであるためです。

ウグランドハウスでの登記をしているものの、中に入っている企業の多くは別に住所を所持しています。

郵便物も、このウグランドハウスではなくそちらの住所に届けられるのです。

つまりウグランドハウスに登記している会社の多くは、全く機能していないただのポストオフィスなのです。

 

しかし登記場所はケイマン諸島なのですから、ケイマン諸島での税制が適用されます。

「郵便物すら届かない法人なのにケイマン諸島での税制が適用される」一見すると納得のいきかねる状況のように感じますが、これが世界的にも合法とされているタックスヘイブンのやり方なのです。

 

ケイマン諸島の税率について

上記でも「数多くのものが非課税」だと述べたケイマン諸島では、法人税も0%です。

日本の法人税は30%なのですから、その差は歴然です。

「税金はコスト」としか感じない企業側からすれば、ケイマン諸島の税制がどれだけ恩恵の大きな島なのかがおわかり頂けるでしょう。

 

なぜケイマン諸島がこのような税制を取っているかというと、それはケイマン諸島そのものが弱小国であるためです。

ケイマン諸島が「国益を得るために増税」したとしましょう。

しかし自国産業もないこの島では、島民からきちんと納税される保証もなく、増税率も国益を変えるほどのものは望めません。

 

そこで敢えて税率を下げたのです。

こうすることで、海外からタックスヘイブン先として選ばれることになります。

そうなれば、国を維持するための資金を海外から確保できますし、それによる雇用も確保することができます。

ケイマン諸島の低い税率は、島の税政と海外企業の利害が一致した結果なのです。

 

タックスヘイブンによる節税対策はリスクがある

タックスヘイブンの仕組みや問題点、ケイマン諸島の税率について詳しく解説

「郵便物すら届かない法人なのにケイマン諸島での税制が適用される」と述べたケイマン諸島を利用してのタックスヘイブンですが、もちろんこの方法は違法ではなく合法です。

タックスヘイブンを利用すれば莫大な金額の節税効果が見込めるのです。

 

しかし現在ではタックスヘイブンへの規制も強まる一方ですし、何より国益を失う行為であるため、国からは歓迎されない行為としかされていません。

また国民からも「税金逃れをしている」と非難されることも多いリスクの高い節税方法です。

 

もし節税目的でタックスヘイブンの利用をお考えなのであれば、節税で得られるお金のメリットはあるものの、会社としての信用を失いかねないデメリットもあることをしっかりと理解しましょう。

 

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