2017/12/03

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パナマ文書でよく聞くタックスヘイブンとオフショア取引って何?

タックスヘイブンとオフショア取引の定義とは?分かりやすく解説します!

パナマ文書でよく聞くタックスヘイブンとオフショア取引って何?

そもそもタックスヘイブンとは何か?

タックスヘイブンは、直訳すると「税の避難所」です。

税金がない、もしくは税率の低い国に資産を移すことで、自国での適用税率から逃れる行為のことを指します。

 

今回はこのタックスヘイブンの定義や、その歴史について、詳しくご紹介していきましょう。

 

パナマ文書って何?

パナマ文書でよく聞くタックスヘイブンとオフショア取引って何?

パナマ文書とは?

パナマ文書とは、中央アメリカの国のひとつ、パナマにある「モサック・フォンセカ」という法律事務所が作成した書類のことです。

 

この書類には、1970年から行われたモサック・フォンセカ事務所と顧客との間でやり取りされた詳しい内容が、1,150件という膨大な数で記載されていました。

 

タックスヘイブンは違法ではないのに何が問題か?

タックスヘイブンは違法ではなく合法です。

またタックスヘイブン国は他国からの資金確保で雇用が生まれますし、企業側は大きな節税効果が得られ、一見すると何の問題もないように見えます。

 

しかしあまり歓迎されることではありません

その理由が母国の国益を失う行為だからです。

 

本来であれば拠点がある母国に税金が納められるはずなのに、タックスヘイブンを利用することで他国にお金が流出し、母国に納税されることはありません

そのため国が問題視することも多く、規制も設けられるようになってきたのです。

 

パナマ文書公開によりタックスヘイブンしている日本の企業や日本人も明らかに

パナマ文書には、日本企業や日本人の名前も多く記載されていました。

その全てを知ることはできませんが、分かっている企業や人物名を挙げていきたいと思います。

 

【企業名】

  • ・伊藤忠商事

  • ・丸紅

  • ・ファーストリテイリング(ユニクロやGUなどの親会社)

  • ・ソフトバンクの関連企業

 

【人物名】

  • ・楽天社長の三木谷浩史氏

  • ・セコム創業者の飯田亮氏

  • ・詐欺師として検挙された経歴を持つ宮本敏幸氏

 

それぞれインタビューには「違法性はない」とコメントしています。

 

パナマ文書でよく聞くタックスヘイブンとオフショア取引って何?

パナマ文書でよく聞くタックスヘイブンとオフショア取引って何?

オフショア取引の定義とは?

オフショア取引の定義は、所得税や法人税が自国よりも低い国に法人を設立し取引すること言います。

元々オフショアは「沖合」という意味ですので、「自国から離れた沖合の国で取引する」といったところでしょうか。

 

例えば国内情勢が悪く、「自国では安全に資産を管理できない」と判断した場合にも、オフショア法人を利用して財産の分散を行う場合などが考えられます。

 

タックスヘイブンの定義とは?

タックスヘイブンは、無課税、もしくは著しく税率の低い国を指します。

基本的には「法人税が20%未満の国」を指す言葉です。

 

「タックスヘイブンする」といった動詞で何をするのか通じますが、正しくは「タックスヘイブンでオフショア取引をする」となります。

 

各国が連携してオフショア取引に対策する流れになる

上記で述べたように、オフショア取引は母国の国益を失うことに繋がる行為です。

そのため各国でもタックスヘイブンでのオフショア取引に対する規制が厳しくなってきています。

 

オフショアの国や地域が誕生した経緯とは?

そもそもタックスヘイブンとされる国の多くは、自国産業のない弱小国です。

弱小国だからこそ税率を下げ、他国からの資産を確保し、それにより雇用を生み出しています。

 

つまり「国が豊かだから税率が低い」のではなく、「国が貧しいからこそ税率が低い」のです。

「国外からの安定した収入を得るため」にタックスヘイブンが誕生しました。

 

タックスヘイブン型のオフショア金融システムがなくならない理由とは?

繰り返しになりますが、タックスヘイブン先の多くは弱小国です。

その弱小国からオフショア取引を撤廃したらどうなるでしょうか。

 

せっかく生まれた雇用は全て消え、自国産業のない国では資金を作ることもできません。

オフショア取引をなくすことは、そのままその国の破綻を意味するのです。

そのためどれだけ規制を厳しくしたとしても、タックスヘイブン型のオフショア金融システムをなくすのは難しいとされています。

 

タックスヘイブンは実はイギリスが作ったもの?

パナマ文書でよく聞くタックスヘイブンとオフショア取引って何

そもそもタックスヘイブンを作り出したのはイギリスでした。

 

タックスヘイブンの起源は、19世紀にまでさかのぼる。西欧の列強が、アジア、アメリカ、アフリカを手当たり次第に食い散らかしていた時代のことだ。イギリスでは、植民地への投資を増やすために、植民地の企業の税金を安くしていた。そのためイギリスの植民地には多くのイギリス企業が移転してきたのだ。

参照元:コンデナスト・ジャパン

 

戦争が相次ぐ時代、多くの植民地を得たイギリスは、植民地からの収益を上げるために税率を下げました

これがタックスヘイブンの始まりです。

その後続々と多国籍企業も利用するようになり、現在のタックスヘイブンへと変わっていきました。

 

イギリスがタックスヘイブンを放棄しない理由とは?

ロンドンが世界最大の金融業界でも、今の世界通貨はアメリカドルです。

しかしこれが昔はポンドが世界通貨だったことをご存知でしょうか。

 

世界通貨の立場から落ちても、それでも金融業界のトップに立ち続けられる理由、それがタックスヘイブンによる業績です。

つまりイギリスがタックスヘイブンを廃止することは、そのまま金融業界でのトップの座も怪しくなってしまうのです。

そのため「イギリスがタックスヘイブンを放棄することはない」と言われています。

 

タックスヘイブンが問題だといわれる理由とは?

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タックスヘイブンの国々は税金を取らずにどうやって運営できているのか?

国内で安定した収益を出せないタックスヘイブンからしてみれば、そもそも大した額の納税はされていません。

「税率を下げたら余計に苦しくなるのではないか」と考えられるかもしれませんが、タックスヘイブンのような弱小国からすれば、税率を下げて国外からの資金を確保することの方が、よっぽど国が潤う行為なのです。

 

タックスヘイブンが問題といわれるのは何故か?

タックスヘイブンでのオフショア取引は、「有害税制」と呼ばれることもあります。

税率の低いタックスヘイブンにばかり資金が流出することで、その他の国は治められるべき税金を失うことになるためです。

 

将来的にタックスヘイブンは無くなる?

国際社会においては、どのような小さな国であっても「主権Sovereign」を持っているとされています。この主権は本来、「神から与えられた権利」であり、他国が暴力でもって主権を侵すことは厳しく禁じられています。

参照元:有限会社オルタ・インベスト・コム

 

オフショア取引をなくせば、弱小国でもあるタックスヘイブンの破綻を意味しますし、何より上記のような権利が認められているため、今後なくなるといったことはないと言えるでしょう。

 

タックスヘイブン対策税制(規制)について

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タックスヘイブン対策税制の概要

日本では下記のように、タックスヘイブン規制が定められています。

 

I. 税制適用の条件

特定外国子会社等(以下1.の会社等)の留保所得が、以下2.の条件に該当する場合、直接・間接の株式(利益配当請求権のない株式を除く)の所有割合に応じて、当該株主の所得と合算して日本で課税されます。

1. 日本の居住者または内国法人が直接または間接にその株式の50%超(議決権のない株式・利益配当請求権のない株式を除外して行う判定も併用する)を保有する外国子会社等で、次のいずれかに該当する会社であること。

  1. 法人所得税がない国・地域に本店等を有する外国子会社等

  2. 法人所得税率が20%以下の外国子会社等

 

2. 外国子会社等の留保所得につき、日本で合算課税の適用を受ける国内株主は、単独または同族株主グループ全体で当該外国子会社等の株式(利益配当請求権のない株式を除く)を直接・間接に10%以上保有する内国法人または居住者であること。

参照元:財務省主税局参事官室

 

要約すると下記の3つに該当する企業に、このタックスヘイブン規制が適用されるのです。

 

  1. 税率20%以下のタックスへイブン国に子会社があること

  2. 同族で10%以上の株式を所有する会社であること

  3. 資本の50%以上が日本資本の法人であること

 

適用対象となる国内の法人と特定外国子会社等の判定について

母国法人が同族株主グループを形成している場合には、そのグループ全体の保有株式数等の割合で判定されることになります。

 

特定外国子会社等の所得の合算について

所得の合算方法については、下記のように行われることになります。

 

パナマ文書でよく聞くタックスヘイブンとオフショア取引って何?

参照元:弁護士ドットコム株式会社

 

適用除外について

下記の条件を全て満たす場合は、適用外となり除外されます。

 

  1. 事業基準

主たる事業が株式等の保有等の一定の事業でないこと

  1. 実体基準

本店所在地国に主たる事業に必要な事務所、店舗、工場等の固定施設を有すること

  1. 管理支配基準

本店所在地国において事業の管理、支配および運営を自ら行っていること

  1. 非関連者基準又は所在地国基準

ア 非関連者基準(卸売業、銀行業、信託業、証券業、保険業、水運業または航空運送業の場合)

非関連者との取引割合が50%以上であること

イ 所在地国基準(ア以外の業種の場合)

事業を主として本店所在地国において行っていること

参照元:弁護士ドットコム株式会社

 

OECD租税委員会よりタックスヘイブンとされた国や地域のリスト(2000年)

パナマ文書でよく聞くタックスヘイブンとオフショア取引って何?

2010年にOECDが発表したデータによりますと、タックスヘイブン先として記されているのは下記の国々です。

 

  • ・ベリーズ

  • ・クック諸島

  • ・リベリア

  • ・マーシャル諸島

  • ・モントセラト

  • ・ナウル

  • ・ニウェ

  • ・パナマ

  • ・バヌアツ

 

タックスヘイブン地域はイギリス連邦やイギリス領が多い

ベリーズやモントセラトを始め、タックスヘイブンが適用される地域は、イギリス領であることが多く見受けられます

その理由は、「タックスヘイブンは実はイギリスが作ったもの?」で説明した通りです。

 

タックスヘイブン地域によるオフショア取引はリスクがある

パナマ文書でよく聞くタックスヘイブンとオフショア取引って何?

タックスヘイブンでのオフショア取引は「有害税制」とまで呼ばれています。

合法ではありますが、決して歓迎される節税対策ではないと覚えておきましょう。

また今後更に規制が厳しくなることも考えられるため、利用は慎重に検討する必要がありそうです。

 

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