2017/12/03

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ヴァージン諸島はタックスヘイブンから離脱するのか?

タックスヘイブンの地域はイギリスが多い!ヴァージン諸島やパナマがタックスヘイブンから撤退!?

ヴァージン諸島はタックスヘイブンから離脱するのか?

そもそもタックスヘイブンって何?

タックスヘイブンは、直訳すると「税の避難所」です。

税金がない、もしくは税率の低い国に資産を移すことで、自国での適用税率から逃れる行為のことを指します。

 

そんなタックスヘイブン先として人気のヴァージン諸島やパナマがタックスヘイブンから撤退するのでは?との声が上がっています。

今回はこの噂の真相に迫ってみましょう。

 

タックスヘイブンについて

ヴァージン諸島はタックスヘイブンから離脱するのか?

タックスヘイブンの仕組みとは?

タックスヘイブン先とされる国の多くは、自国産業のない弱小国です。

そこであえて税率を下げることで他国からの資産を確保し、それにより雇用を生み出そうというわけです。

 

またタックスヘイブンを利用する企業側からしてみれば、その国にペーパーカンパニーを設立することで利益を移すことができます。

そのためタックスヘイブン国の税率が適用され、自国以下の税率を納めるだけで済みます。

 

タックスヘイブンは何故無くならないのか?

上記で述べたように、タックスヘイブン先の国々はタックスヘイブンを行うことで国を保っています。

つまりタックスヘイブンの廃止は、タックスヘイブン先である国の破綻を意味することになるのです。

そのためどれだけ規制を強化したとしても、タックスヘイブンがなくなることはないと言えるでしょう。

 

そもそもタックスヘイブンは違法なのか?

いいえ、タックスヘイブンは違法ではありません

それぞれの国の税制を上手に利用した、合法かつ世界規模の節税対策なのです。

 

タックスヘイブンは何が問題なのか?

弱小国側にも企業側にもメリットがあるのがタックスヘイブンです。

ここだけ見ると何も問題ないように見えるのですが、ただひとつ、タックスヘイブンによって利益を失う場所があります

それが企業が拠点を置く母国です。

 

母国側からしてみれば、本来自分の国に納められるはずだった税金が他国に流れることになるため、国益を失うことになるのです。

そのため、タックスヘイブンは合法の節税対策ながらも、あまり歓迎されない傾向があります。

 

タックスヘイブンは3つに分類される

ここまで一言でタックスヘイブンと表してきましたが、その内容は3つに分類することができます。

 

1:完全無税型

1つ目が完全無税型です。

その名の通り、法人税や所得税など、一切の税金がかからないタイプになります。

ただ消費税や輸入税は適用されるため、全てを無税で行えるわけではありません

 

2:国外源泉無税型

2つ目が国外源泉無税型です。

本来であれば「他国での利益も本拠地がある国で課税される」ものなのですが、「国外源泉非課税国」であれば、他国での利益は非課税となります。

 

3:低税率型

3つ目が低税率型です。

これは自国よりも税率の低い国を利用するタイプになります。

 

タックスヘイブンの対策はどうなっているのか?

ヴァージン諸島はタックスヘイブンから離脱するのか?

日本のタックスヘイブンに対する姿勢について

日本では下記のように、タックスヘイブン規制が定められています。

I. 税制適用の条件

特定外国子会社等(以下1.の会社等)の留保所得が、以下2.の条件に該当する場合、直接・間接の株式(利益配当請求権のない株式を除く)の所有割合に応じて、当該株主の所得と合算して日本で課税されます。

1. 日本の居住者または内国法人が直接または間接にその株式の50%超(議決権のない株式・利益配当請求権のない株式を除外して行う判定も併用する)を保有する外国子会社等で、次のいずれかに該当する会社であること。

  1. 法人所得税がない国・地域に本店等を有する外国子会社等

  2. 法人所得税率が20%以下の外国子会社等

 

2. 外国子会社等の留保所得につき、日本で合算課税の適用を受ける国内株主は、単独または同族株主グループ全体で当該外国子会社等の株式(利益配当請求権のない株式を除く)を直接・間接に10%以上保有する内国法人または居住者であること。

参照元:財務省主税局参事官室

 

要約すると下記の3つに該当する企業に、このタックスヘイブン規制が適用されるのです。

 

  1. 税率20%以下のタックスへイブン国に子会社があること

  2. 同族で10%以上の株式を所有する会社であること

  3. 資本の50%以上が日本資本の法人であること

 

世界でもタックスヘイブンの対策は強化されている

経済協力開発機構(OECD)租税委員会は、国の国益を守るために「タックスヘイブン対策税制」の強化を行っています。

悪質なタックスヘイブンだと見られる国を名指しし、改善を求めたのです。

ブラックリストに載せる非協力的な国・地域を特定する基準として▽各国の税務当局間で年1回、非居住者の銀行口座情報を自動的に交換する枠組みに参加しているか▽納税情報などの交換を行う条約に署名しているか▽情報交換に関して制度が対応できているか−−の3項目を設けることで合意。

参照元:毎日新聞社

 

この3項目のうち、2項目を満たさなければブラックリストに登録されるとの勧告を出したのです。

その甲斐あって、2009年から2010年の1年間で、タックスヘイブン先が大きく減少しました。

 

タックスヘイブンでの節税の仕方について

ヴァージン諸島はタックスヘイブンから離脱するのか?

アジアの企業は主にどこの地域を使っているのか?

アジアに拠点を置く企業の多くは、香港やシンガポールをタックスヘイブン先として選んでいます。

 

タックスヘイブンで困るのは母国?

先述したように、タックスヘイブンは母国の国益を失う行為になるため、アジアの中でも日本・中国・韓国はタックスヘイブンに規制を設けています

 

タックスヘイブンの対策税制について

規制が設けられてはいるものの、適用される条件にさえ当てはまらなければ、タックスヘイブンを行うことができます。

 

タックスヘイブン諸国の税率が20%未満の国は注意が必要

先ほどの条件3つのうち、1つ目を覚えていますでしょうか。

「税率20%以下のタックスへイブン国に子会社があること」です。

 

つまり法人税が20%未満の国であれば、それだけでタックスヘイブン対策税制に引っかかることになります。

 

企業として実体していればタックスヘイブン対策税制は適用されない?

タックスヘイブン規制の1番の大前提が「ペーパーカンパニーである場合」です。

つまりしっかりと営業し利益を上げているという実績があるならば、タックスヘイブン対策税制の対象になることはありません。

 

タックスヘイブンの国や地域はどれくらいあるのか?

ヴァージン諸島はタックスヘイブンから離脱するのか?

タックスヘイブンの国や地域一覧

2010年にOECDが発表したデータによりますと、タックスヘイブン先として記されているのは下記の国々です。

 

  • ・ベリーズ

  • ・クック諸島

  • ・リベリア

  • ・マーシャル諸島

  • ・モントセラト

  • ・ナウル

  • ・ニウェ

  • ・パナマ

  • ・バヌアツ

 

タックスヘイブン地域はイギリス連邦やイギリス領が多い

ベリーズやモントセラトを始め、タックスヘイブンが適用される地域は、イギリス領であることが多く見受けられます

「何故イギリス領にタックスヘイブン地域が多いのか」、このことについて、次項で説明していきましょう。

 

タックスヘイブンはイギリスが作ったもの?

ヴァージン諸島はタックスヘイブンから離脱するのか?

イギリスが作った租税回避地

そもそもタックスヘイブンを作り出したのはイギリスでした。

タックスヘイブンの起源は、19世紀にまでさかのぼる。西欧の列強が、アジア、アメリカ、アフリカを手当たり次第に食い散らかしていた時代のことだ。イギリスでは、植民地への投資を増やすために、植民地の企業の税金を安くしていた。そのためイギリスの植民地には多くのイギリス企業が移転してきたのだ。

参照元:コンデナスト・ジャパン

 

戦争が相次ぐ時代、多くの植民地を得たイギリスは、植民地からの収益を上げるために税率を下げました。

これがタックスヘイブンの始まりです。

その後続々と多国籍企業も利用するようになり、現在のタックスヘイブンへと変わっていきました。

 

イギリスがタックスヘイブンを放棄しない理由とは?

ロンドンが世界最大の金融業界でも、今の世界通貨はアメリカドルです。

しかしこれが昔はポンドが世界通貨だったことをご存知でしょうか。

 

世界通貨の立場から落ちても、それでも金融業界のトップに立ち続けられる理由、それがタックスヘイブンによる業績です。

つまりイギリスがタックスヘイブンを廃止することは、そのまま金融業界でのトップの座も怪しくなってしまうのです。

そのため「イギリスがタックスヘイブンを放棄することはない」と言われています。

 

バージン諸島やパナマがタックスヘイブンから離脱?

ヴァージン諸島はタックスヘイブンから離脱するのか?

バージン諸島ではペーパーカンパニーの設立が困難になる

受益所有権の関連情報を英国政府と共有することを義務づける新規制「BOSS(Beneficial Ownership Secure Search system )ACT2017」に応じ、ヴァージン諸島でも6月よりBOSS専用のプラットフォーム が導入された。

参照元:株式会社ZUU

 

こう聞いてもわかりにくいかもしれません。

要するに、今後ヴァージン諸島での税関係情報は、全て政府規制当局の監視下に置かれることになるということです。

また個人でも住所変更や株主情報変更など、様々な更新情報は15日間以内に申告することが義務付けられました。

 

このように規制が著しく強化されたことで、ペーパーカンパニーの設立が困難になったのです。

 

パナマもオフショア銀行事業を廃止する

また同じくパナマでもタックスヘイブンを行うのが困難になってきました。

 

海外からの口座開設・利用を禁じるなど、多数の富裕層に利用されていた「オフショア銀行事業」を実質上閉鎖すると、国際事業サイト、プレミア・オフショアは報じている。

参照元:株式会社ZUU

 

その要因が、タックスヘイブンを受け入れてきた銀行事業が廃止されるためです。

これらの事情により、タックスヘイブン先として人気だったバージン諸島・パナマ共に、今後タックスヘイブン先として利用できなくなると言われています。

 

パナマ文書に公開されている日本企業や日本人

ヴァージン諸島はタックスヘイブンから離脱するのか?

パナマ文書とは?

パナマ文書とは、中央アメリカの国のひとつ、パナマにある「モサック・フォンセカ」という法律事務所が作成した書類のことです。

 

この書類には、1970年から行われたモサック・フォンセカ事務所と顧客との間でやり取りされた詳しい内容が、1,150件という膨大な数で記載されていました。

 

パナマ文書に記載されている日本企業

パナマ文書には、日本企業や日本人の名前も多く記載されていました。

その中でもまずは記載されていた日本企業からご紹介していきましょう。

 

【企業名】

  • ・伊藤忠商事

  • ・丸紅

  • ・ファーストリテイリング(ユニクロやGUなどの親会社)

  • ・ソフトバンクの関連企業

 

パナマ文書に記載されている日本人

人物名は下記の人々です。

 

【人物名】

  • ・楽天社長の三木谷浩史氏

  • ・セコム創業者の飯田亮氏

  • ・詐欺師として検挙された経歴を持つ宮本敏幸氏

 

それぞれインタビューには「違法性はない」とコメントしています。

 

タックスヘイブンを活用した節税はリスクがある

ヴァージン諸島はタックスヘイブンから離脱するのか?

今のところ合法とされるタックスヘイブンですが、規制が厳しくなっていることはもちろん、あまり国から歓迎されない方法であることを忘れてはいけません。

国や国民からの反感を買うこと、また今後さらに規制が厳しくなっていくことなどを考慮すると、タックスヘイブンは高いリスクが伴う節税対策と言えるでしょう。

 

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