2017/11/26

使う

1631views

OECDのタックスヘイブンの規制とは?定義や問題点を分かりやすく解説!

OECD(経済協力開発機構)とは?

OECDのタックスヘイブンの規制とは?定義や問題点を分かりやすく解説!

OECD租税委員会とは?

「OECD」とは、経済協力開発機構の略です。

そしてそのOECDの中に租税委員会というものがあります。

これは国際的な課税ルールを話し合うための委員会です。

 

タックスヘイブンの規制について

OECD租税委員会は、自国の国益を守るために「タックスヘイブン対策税制」の強化を行っています。

悪質なタックスヘイブンだと見られる国を名指しし、改善を求めたのです。

 

タックスヘイブンの規制に参加している国や地域について

ブラックリストに載せる非協力的な国・地域を特定する基準として▽各国の税務当局間で年1回、非居住者の銀行口座情報を自動的に交換する枠組みに参加しているか▽納税情報などの交換を行う条約に署名しているか▽情報交換に関して制度が対応できているか−−の3項目を設けることで合意。

参照元:毎日新聞社

 

この3項目のうち、2項目を満たさなければブラックリストに登録されます。

この規制を承諾したいわゆるホワイトリストの国々は、下記の国々です。

 

アンドラ、アンギラ島(英国)、アンティグア・バーブーダ、アルゼンチン、アルバ(オランダ)、オーストラ リア、オーストリア、バハマ、バーレーン、バルバドス、ベルギー、バミューダ諸島(英国)、ブラジル、英 領バージン諸島、ブルネイ、カナダ、ケイマン諸島(英国)、チリ、中国(香港とマカオの特別行政区域 を除く)、キプロス、チェコ、デンマーク、ドミニカ、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ジブラルタ ル(英国)、ギリシャ、グレナダ、ガーンジー(英国)、ハンガリー、アイスランド、インド、インドネシア、ア イルランド、マン島(英国)、イスラエル、イタリア、日本、ジャージー島(英国)、韓国、リヒテンシュタイ ン、ルクセンブルク、マレーシア、マルタ、モーリシャス、メキシコ、モナコ、オランダ、オランダ領アン ティル諸島、ニュージーランド、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、ロシア、セントクリストファー・ネー ヴィス、セントルシア、セントビンセント及びグレナディーン諸島、サモア、サンマリノ、セーシェル、シン ガポール、スロバキア、スロベニア、南アフリカ、スペイン、スウェーデン、スイス、トルコ、タークス・カイ コス諸島(英国)、アラブ首長国連邦、英国、米国、米領バージン諸島

参照元:外交防衛委員会調査室

 

それまでタックスヘイブンとして利用されていた国々の多くが、この規制の強化を承諾し、改善を行いました。

 

タックスヘイブンのブラックリストに入っている国は?

上記の規制を承諾したもののまだ改善が見られない国、いわゆるグレーリストが上記でご紹介した9か国になります。

 

OECDが発表した2009年のデータによりますと、ブラックリストに認定された国は4か国ありました。

 

  • ・コスタリカ

  • ・マレーシア(ラブアン島)

  • ・フィリピン

  • ・ウルグアイ

 

しかしいずれも規制を承諾したため、2010年の発表時にはブラックリストから解除されています。

 

タックスヘイブンの問題について

OECDのタックスヘイブンの規制とは?定義や問題点を分かりやすく解説!

タックスヘイブンの問題とは?

タックスヘイブンの最大の問題が「国益を失う」ということです。

自国の企業が上げた利益に課税することができないため、本来であれば納められるはずだった法人税が国に入らないのです。

 

またタックスヘイブンは回りまわって個人にものしかかる可能性がある問題点があります。

「企業はうまいことやってるわねえ」なんて他人事になっていませんか?

国からしてみれば「課税対象が減って国益が少ない=違うところから徴収せねば」となるわけですから、消費税などが増税される可能性も高くなりますし、国益がなければその分不景気になり、様々な面で我々の生活が圧迫されることもあるのです。

 

規制してもタックスヘイブンは無くならない

いくらOECDが規制を強化しようとしても、タックスヘイブンがなくなることはないでしょう。

その理由はいくつか考えられます。

 

まず第一にタックスヘイブンの国々が自国産業を持っていない弱小国だということです。

この弱小国から雇用を奪うことになりますので、国を潰しかねません。

 

またタックスヘイブンの国々の多くが金融大国イギリス領にあることです。

タックスヘイブンの規制強化は、そのままイギリスを敵に回すことになります。

 

最後がタックスヘイブンで得をしているのが一部の国民だけということです。

いくら国益が少なくなり国民への圧迫の可能性があるとはいえ、国民の総意を得るほどの影響力が得られず足踏みしている状況です。

また得をしている企業にも当然ながら従業員がいるため、企業の税率を上げる=利益を下げる=雇用が減ることに繋がってしまいます。

 

日本のタックスヘイブンに対する体制について

日本では下記のように、タックスヘイブン規制が定められています。

 

I. 税制適用の条件

特定外国子会社等(以下1.の会社等)の留保所得が、以下2.の条件に該当する場合、直接・間接の株式(利益配当請求権のない株式を除く)の所有割合に応じて、当該株主の所得と合算して日本で課税されます。

1. 日本の居住者または内国法人が直接または間接にその株式の50%超(議決権のない株式・利益配当請求権のない株式を除外して行う判定も併用する)を保有する外国子会社等で、次のいずれかに該当する会社であること。

  1. 法人所得税がない国・地域に本店等を有する外国子会社等

  2. 法人所得税率が20%以下の外国子会社等

 

2. 外国子会社等の留保所得につき、日本で合算課税の適用を受ける国内株主は、単独または同族株主グループ全体で当該外国子会社等の株式(利益配当請求権のない株式を除く)を直接・間接に10%以上保有する内国法人または居住者であること。

参照元:財務省主税局参事官室

 

ややこしいですね。

要するに下記の3つに該当する企業に、この規制が適用されるのです。

 

  1. 税率20%以下のタックスへイブンに子会社があること

  2. 同族で10%以上の株式を所有する会社であること

  3. 資本の50%以上が日本資本の法人であること

 

2017年のタックスヘイブンの税制解説について

OECDのタックスヘイブンの規制とは?定義や問題点を分かりやすく解説!

タックスヘイブンの改正ポイントとは?

2018年4月から施行されるタックスヘイブン対策税制大幅に改正されました。

いくつかそのポイントを挙げていきましょう。

 

制度の対象となる外国関係会社の判定や合算される所得の計算に、残余財産の概ね全部を請求できるか否かにより判定を行う、実質支配基準が導入されている。

外国関係会社の租税負担割合が20%以上の場合でも、実体のない「ペーパーカンパニー」、実質的な「キャッシュボックス」、「ブラックリスト」国に存在する外国関係会社の所得は、会社単位で合算課税される。

参照元:KPMGジャパン

 

今まで曖昧だった「タックスヘイブンでの利益と自国での利益をどう合算するか」より明確になりました。

またグレーゾーンとされていたペーパーカンパニーについては、実質全て自国の企業の利益と合算されることになります。

 

租税負担割合が20%未満の場合には、外国関係会社に実体があるときであっても利子、配当や株式の譲渡益などの受動的な所得が部分合算課税の対象とされているが、改正により、その合算課税の対象となる所得の範囲が拡大している。

参照元:KPMGジャパン

 

これは上記で挙げた3つの条件の話ですね。

「拡大している」とはあるものの、その基準となる数字は明らかにされていません

とはいえ上記で挙げた条件よりも厳しくなるのは明白でしょう。

 

ここまで見るとただ「厳しくなる」といった感じですが、緩和された点もあります

それが「事業別による対象外の拡大」です。

どうしても海外に製造を依頼することの多い製造業に関しては、合算課税の対象外になったのです。

 

その他にも、外国金融子会社や保険会社など、元々「外国向けの経済活動」を行っていた企業にも特例が作られています。

厳しくなった面もあれば緩和された面もあるなど、この規制は「より公平に課税されるように」改正されたのです。

 

タックスヘイブンの問題点や規制をよく知ろう!

OECDのタックスヘイブンの規制とは?定義や問題点を分かりやすく解説!

タックスヘイブンは合法的な節税対策である、これは間違いありません。

ただそのタックスヘイブンには規制があること、またその規制が近年強化されていることを覚えておきましょう。

つまり「違法ではないものの推奨される行為でもない」ということです。

 

タックスヘイブンにおける問題点や規制をしっかりと理解し、日々のニュースに耳を傾けてみましょう。

きっと新しい視点で世界の国々の経済を知ることができますよ。

 

関連する記事

この記事が気に入ったらいいね!しよう

マネストの最新エントリーが見られます。

Twitterでマネストをフォローしよう!

「使う」ランキング

人気記事総合ランキング

Tweet by @ManeSto_com