住宅ローンアドバイザーって何?詳しく解説!
住宅ローンアドバイザーってどんな資格?
住宅を購入する場合、ほとんどの人は住宅ローンを利用します。
あなたが住宅ローンを利用するとき、自分だけで考えるでしょうか?
もし、ほかの人に相談するとしたら誰に相談しますか?
家族・友達・会社の同僚・不動産屋、銀行などいろいろ思いつくと思います。
住宅ローンアドバイザーという資格をご存じでしょうか?
住宅ローンアドバイザーとは、住宅ローンに特化した資格です。住宅ローン商品を熟知しているだけではなく、初心者にも分かりやすく説明できるスキルを持ったアドバイザーです。
住宅ローンアドバイザーは、あまり聞いたことがないという人も多いのではないでしょうか?
住宅ローンアドバイザーの資格は、2005年に創設されました。まだ新しい資格ですね。
なぜ、住宅ローンアドバイザーの資格が誕生したのでしょうか?
昔の住宅ローンは、住宅金融公庫が主流でした。
住宅金融公庫の住宅ローンは種類が少なく、住宅ローン契約者はあまり住宅ローンの選択の余地がありませんでした。その後、住宅金融公庫は廃止になり、住宅ローンは民間銀行が主流になりました。民間銀行は、長期固定金利ローンの提供や、さまざまなサービスの付いた住宅ローンを次々の開発しました。
その結果、住宅ローン契約者は自分にとってどの住宅ローンが最適なのかを選ぶことが難しくなりました。
そんな中、「数ある住宅ローンの中から、どの住宅ローンが最適なのかを判断できるアドバイザーを養成すること」が、住宅ローンアドバイザーの創設の目的なのです。
住宅ローンアドバイザーはどんな人がなる?
金融機関やハウスメーカー、不動産会社に勤めている人
これらに勤めている人たちは、お客さまに住宅ローンをすすめするのが業務のひとつです。住宅ローンアドバイザーの資格を持っていると持っていないとでは、お客さまへの説得力も違います。
また、会社によっては、業務スキルとして住宅ローンアドバイザー取得を義務づけている場合もあります。
ファイナンシャル・プランナーの有資格者
ファイナンシャル・プランナーが、住宅ローンに力を入れている場合に、住宅ローンアドバイザーの資格を取得します。
住宅ローンに強くなることで、家計の中でも大きなウェイトを占める住宅費をアドバイスできるようになるため、ファイナンシャル・プランナーとしての信用度が上がります。
住宅の購入予定がある人
住宅を購入する人が、本や不動産業者などからではなく、自らの住宅ローン選びのために養成講座を受講する場合もあります。
住宅ローンアドバイザーの受験資格・取得方法・費用は?
養成講座を受講する場合について
住宅ローンアドバイザーは、どのような性質の資格なのでしょうか?
以下のようにまとめられます。
- 国家資格ではなく、民間の資格である。
- 年齢や学歴などの資格条件はない。
- 住宅ローン関係の仕事経験が不要である。
資格を取得する条件は、厳しくありません。
資格を取得するには、養成講座を受講するか、認定試験を受験するかの2通りの方法があります。
養成講座は、住宅金融普及協会と全日本不動産協会が実施していましたが、全日本不動産協会は、平成28年度で住宅ローンアドバイザー養成講座が終了になりました。
養成講座終了後に、効果試験を受験し、合格ラインを超えていれば見事合格です。ただし、合格後に協会に登録しなければ、資格は取得できません。養成講座の特徴に関して、見てみましょう。
【養成講座】
実施機関 | 住宅金融普及協会 ※全日本不動産協会は終了です。 |
講座内容 | 基礎編、応用編があります。 |
実施頻度 | 年2回 |
募集時期/開催場所 | 住宅金融普及協会HPに掲載されます。 |
受講方法 | Aコース:WEB講習を自宅などで受講します。 Bコース:会場でDVD講習を受講します。 |
受講時間 |
Aコース: |
効果測定 |
Aコース: 応用編…指定された会場で、日程を改めて指定の会場で実施します。 |
合格基準 | 40問中28問以上正解し、かつ計算問題10問のうち6問以上正解することです。 |
受講料 |
Aコース:21,600円(WEB講習+会場効果測定) Bコース:25,920円(会場DVD講習+会場効果測定) |
登録料/登録更新料 |
10,800円(消費税込み) ※登録有効期間:登録日から3年間、登録更新手続きが必要です。 |
養成講座は参考書などではなく、講義を受けながら勉強をしたいという人に向いています。
金額を抑えて受講したい人はWEB講習(Aコース)がおすすめです。
実際の講師の口から説明を聞きたいという人は、会場DVD講習(Bコース)がおすすめです。
認定試験を受験する場合は?
認定試験は、金融検定協会が実施している住宅ローンアドバイザー(HLA)認定試験を受験し、合格すると資格が取得できます。
【認定試験】
実施機関 | 金融検定協会 |
実施頻度 | 年3回 5月、11月(一般試験/全国約120会場で開催) 1月(特例試験/全国17会場で開催) |
開催場所 | 金融検定協会に問い合わせが必要 |
試験時間 | 2時間30分 |
出題形式 | 計50問で、5答択一式 |
出題範囲 | 1.住宅ローンの基礎知識…住宅市場/住宅に関わる法令/住宅ローン金利 2.コンプライアンス…住宅ローンに関わる行政/住宅ローンに関わる法律/返済条件の変更/ローン商品説明義務 3.住宅取得前のアドバイス…ライフサイクルと住宅/住宅ローン商品の選択/適合性の原則から見た借入総額 4.住宅ローン受付から完済までの実務…フラット35の受付から完済までの実務取扱/民間住宅ローンの受付から完済までの実務取扱/繰上返済、借換え |
合格基準 | 100点満点中60点以上正解 (ただし、試験結果を踏まえ試験委員会で決定します。) |
受験料 | 6,170円(消費税込み) |
認定試験は、金額を抑えて受講したい人におすすめです。
ただし、講習がないため参考書などの購入費用がかかります。
合格率は86%以上で難易度低め!
住宅ローンアドバイザーは更新が必要になる
住宅ローンアドバイザーの資格は一度取得してしまえば、ずっと使えるものではありません。有効期間が3年間と決められており、3年ごとの更新制になっています。
住宅ローンは日々、さまざまな商品が出ています。また、その時代のライフスタイルや法律も変化します。
それらに対応するためには、更新制度で最新の情報を身に着ける必要があります。
住宅ローンアドバイザー資格取得の難易度について
住宅ローンアドバイザーの資格を取得することは難しいのでしょうか?
住宅金融普及協会の合格率を確認しましょう。
【住宅金融普及協会 平成28年度(第2回)】
- 申込者数/1,936名
- 受講者数/1,666名
- 受講率/86.1%
- 修了者数/1,410名
- 修了率/84.6%
出典:住宅金融普及協会
修了率は84.6%です。
しっかり学習をすれば、合格できる可能性は高いです。
ファイナンシャル・プランナーとの違いについて
ファイナンシャル・プランナーと住宅ローンアドバイザーは似ています。
どこが違うのでしょうか?
ファイナンシャル・プランナーは、「家計の専門家」です。
その範囲はライフプランニング・退職後プラン・税金・保険・相続・事業承継・金融と多岐に渡ります。
ファイナンシャル・プランナーに住宅ローンを相談すると、会計の中での住宅ローンの役割などの全体的説明を期待できます。ただし、住宅ローンの各商品の専門的なことに関しては、詳しくないかもしれません。
住宅ローンアドバイザーは、住宅ローンの各商品の専門的なことに関して、詳しい説明を受けられます。ただし、住宅ローン以外の事に関してはアドバイスを受けることができません。
両方の資格を持っている人に相談できると、安心感が得られます。
住宅ローンアドバイザーに相談するにはどうすればいい?
住宅ローンアドバイザーに住宅ローンを相談するには、まず会う必要があります。どこに行けばいいのでしょうか?
2つの方法があります。
上記の方法で、住宅ローンアドバイザーを見つけることは可能です。
ただし、住宅ローンアドバイザーの資格を持っているからといって、その人が信用できるかは別問題です。
住宅ローンをあっせんすると、その住宅ローン紹介者が銀行から報酬を受け取る場合があります。その報酬目当てに、あえて手数料の高いなどの適切でない住宅ローンを紹介される場合もあります。
自分に合った住宅ローンのアドバイスを受けるのであれば、独立したアドバイザーを選ぶことをおすすめします。
住宅ローンアドバイザーはどんな時に役立つのか?
住宅ローンアドバイザーは、主に2つの内容に関しての知識を持っています。
- その家庭の収入などを分析する能力
- 住宅ローンの知識
特に、その家庭の収入などを分析する能力は重要です。
どれだけ住宅ローンの知識があっても、その家庭が住宅ローンの支払いに厳しくなってしまっては意味がありません。
同じ家族構成や年齢であっても、各個人によって、将来の支出や家族構成などが変わります。その家庭が住宅ローンを組んだ時に、どのようなリスクがあり、どのような対策が必要なのかをアドバイスするために、住宅ローンアドバイザーの資格が必要なのです。
住宅ローンアドバイザーの計算は合っているのか?
住宅ローンアドバイザーの住宅ローンに関する計算は正しいのでしょうか?
住宅ローンアドバイザーの試験合格後に、合格者は専用の計算ソフトを使用できます。返済方法をさまざまな角度から検証してくれるため、計算を間違う心配はありません。
もし、心配なようであれば、さまざまな住宅ローンシミュレーションサイトがありますので、確認するとよいでしょう。
住宅ローンアドバイザーはどんなアドバイスをするのか?
住宅ローンアドバイザーは、まずはその家庭の家計・収入・家族構成などを把握します。その基本情報より、各住宅ローンの金利・借入れ期間などから問題の無い返済計画などをアドバイスします。
あくまでアドバイザーですので、相談者が何をどうしたいかの意思を持って相談することで、よりよい結果をもたらします。
住宅ローンアドバイザーができる事、できない事とは?
住宅ローンアドバイザーができる事は?
住宅ローンアドバイザーができる事は、下記のアドバイスです。
【住宅ローンアドバイザーができる事】
- 住宅ローンの基本情報
- 金利の種類と返済方法の違い
- 借りられるローンと返せるローンの違い
- 実際のローン金額の計算
- 住宅に関する税金の計算
- 繰り上げ返済
- 住宅ローンの借り換え
住宅ローンアドバイザーができない事は?
それでは、住宅ローンアドバイザーができない事は何でしょうか?
資格試験では、住宅ローンのみを学習します。よって、住宅に関しては住宅ローン以外の事は学習しません。
具体的には下記のようなものが挙げられます。
【住宅に関する住宅ローンアドバイザーができない事】
- 建物の構造や施工に対する知識
- 不動産の紹介
- 不動産のリフォーム
- 住宅ローンの契約
よって、住宅ローンアドバイザーのみの資格でできる仕事というのはあまりありません。
住宅ローンアドバイザーは、ファイナンシャル・プランナーや司法書士や宅地建物取引士などの住宅に関係する資格を持っている人が多くなっています。
住宅ローンアドバイザーまとめ
住宅ローンアドバイザーについて解説しました。
あまりなじみのなかった住宅ローンアドバイザーの資格を、理解していただけたのではないでしょうか?
住宅は、人生の買い物の中でも最も高いものと言われています。住宅ローンは金利も含めると、数千万円にもなり、お得な商品を選ぶだけでも、車1台分もしくはそれ以上は変わってきます。
本文の中でも解説していますが、住宅ローンアドバイザーには、自分たちの報酬を優先する人もいます。
可能であれば独立した住宅ローンアドバイザーを担当にするか、複数の住宅ローンアドバイザーの意見を聞くことで、自分に合った住宅ローンが見つかると考えられますので、住宅ローンを申し込む前に住宅ローンアドバイザーを探すようにしましょう。
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